クラッチ オペレーティングシリンダ変更

適用車種
(確認できた範囲で)

  • 130(後期)  L20(新&旧)、J20  
  • 230(前期)  L20


難易度指数:3 オペシリンダを交換するだけ

1.目的

セドグロのような重量のある車両ではクラッチ操作系統は油圧式が採用されており、ペダル踏力は軽減されているハズですが、年式によって以下のような事が言えます。

型式 年式

項    目

130 後期 レリーズ系が手動調整式の為、クラッチディスクの磨耗状況によって調整しなければならない
230 前期 1.レリーズ系が手動調整式の為、クラッチディスクの磨耗状況によって調整しなければならない。

2.クラッチカバーを新品に交換すると、現在供給される部品はL26用と共通(ディスクを押しつけるスプリングの圧力が500kg)の為、ペダル踏力が大きく(重く)なることがある。

今回はこれらの欠点の改善方法を検証します。

 

2.流用にあたって

なぜこの様になるのか? ペダル踏力はマスタシリンダorオペレーティングシリンダのシリンダ内径やクラッチカバーのスプリング圧力に関係し、レリーズ系のメンテはオペレーティングシリンダ自体が手動式か自動式かによります。
クラッチ油圧系統とその周辺の仕様をまとめると・・・

  マスターシリンダ
内径[インチ]
オペシリンダ(注1)
内径[インチ]

オペシリンダ
純正部品番号

レリーズ
調整機構
プッシュロッド
先端の形状
(注2)
アシスト
スプリンング
(注3)
クラッチカバー
スプリング[kg]
130後期 5/8 5/8 30620-28800 手動 405
230前期L20 11/16 30620-V2800 400
230前期L26 3/4 30620-U0102 自動 500
230後期6気筒 3/4 30620-U7001 L20:400
L26:500
130営業車最終
230営業車
11/16 30620-Y4001 450

注1. オペシリンダ・・・オペレーティングシリンダの事で、名前が長いのでハショリました(笑)。他メーカーではレリーズシリンダという呼び方が一般的。

注2.プッシュロッド形状 ・・・

手動調整式にはB型、自動調整式にはA又はB型が用いられる。
最近の車種はほとんど自動調整式の為、A型が主流。 

注3.アシストスプリング ・・・ 

ペダル踏力を補助する為にペダルに取り付けされたスプリング。
ペダルをある程度踏み込んだ時のみ(踏み込み方向に)スプリングが作用してアシストします。
これを装着した車両ではペダルフィーリングがリニアでなく、半分くらい踏み込んでから急にペダルが軽く感じる傾向にあります。

上の表だけではちょっと分かりにくいかもしれませんので、次はどこを変更すればどう変わるのかでまとめてみます。

  変更内容 変更したことによる弊害等
レリーズ調整機構を自動にしたい 自動調整式オペシリンダAssyにする  
ペダルを軽くしたい(1) オペシリンダの内径を大きくする
(Assyで変更)
 
ペダルを軽くしたい(2) クラッチカバーのスプリングを弱いものにする エンジンパワーや車重によりクラッチが滑り易い
ペダルを軽くしたい(3) アシストスプリングを追加する ・ペダルに加工を要することがあり得る
・ペダルフィーフリングがリニアでないので好みが分かれる
・部品調達で難儀するかも

 

この様にしてみると、クラッチカバーのスプリングを弱いタイプにするのは論外。それ以外の方法で状況に応じて選択となります。どちらかというと、オペシリンダの変更だけで済ます方法が良いようです。

それでは内容別にどのタイプしすればいいのか、これまた表にしてみました。

改善内容別オペシリンダ部品番号
  レリーズ自動化のみ  ペダル踏力低減のみ  レリーズ自動化+ペダル踏力低減
130後期6気筒 不明 30620-V2800 30620-Y4001
230前期L20 30620-Y4001 不明 30620-U0102

130のクラッチは元々アシストスプリング付きの為、ペダルはそれ程重いとは言えません。ペダル踏力だけを改善する意味でP#.30620-V2800にするのではなく、主にレリーズの自動調整化をする目的でP#.30620-Y4001にする方がベターです。

一方、230前期L20では逆にペダル踏力低減は必須アイテムでもあるので、P#.30620-U0102がオススメ。

 

3.交換作業  

最後に交換手順です。
なお、画像は130でオペシリンダを自動調整式・内径3/4インチに変更した時のものです。3/4インチじゃぁ、デカ過ぎてクラッチ軽過ぎ(笑)

1.オペシリンダ取り付けボルド2本を17ミリのソケットレンチを使って外す。

2.そのまま廃油受けに・・・(第1図)

3.ゴム製の蛇腹状になったブーツを外してプッシュロッドを外す。(第2図)

4.オペシリンダが廃油受に入った状態で、クラッチペダルを数回踏みフルードを排出させる。ここでアシストスプリング付車はペダルが戻って来なくなるので、手で引き戻して踏むと言う動作を数回繰り返す。

5.ホースを切り離し、オペシリンダAssyを取り外す。


第1図


第2図

 

6.新しい銅ワッシャ(P#.46237-A4600)と交換し、新しいオペシリンダを組みつける。

第4図はオマケでプッシュロッドの比較。左が手動調整式、右が自動調整式(B型)。


第4図


第3図

 

7.逆の手順で組み付ける。

ここで、手動調整式→自動調整式に変更する場合の注意点。
第5図の上が手動調整式、下が自動調整式の構成図ですが、手動調整式では図番17のリターンスプリングがオペシリンダからウィズドロワルレバー(レリーズレバー)間に掛かっています。自動調整式に変更する場合はコレが不要になります。

8.最後にエア抜きを実施して終了。
ここでもアシストスプリング付車はエアが抜けるまでペダルが戻って来ませんので、いちいち手で引き戻してからペダルを踏みます。


第6図


第5図

 

3.交換作業 オマケ編

せっかくフルード交換を行うので、マスタシリンダ(第7図)のオーバーホールも同時にやってしまったほうが安心度が増します。

1.ベダルとプッシュロッド間のピンを外す(ここでペダルを踏んでもシリンダはフリーになります)。

2.専用工具(サイズ 230・・・10ミリ、130・・・7/16インチ=11ミリ)で配管を外す
(クラッチやブレーキの配管は専用工具で外さないと、スパナ等ではナット部が破損する可能性があるので注意。 第8図)

3.エンジンルーム側から本体取り付けナット(工具サイズ 230・・・12ミリ、130・・・1/2インチ)2個を外す。

4.ピン(タイプによってはピストン抜け止めビスも)を外し内部を分解する。(第9図)

5.オーバーホールキット(リペアキット)を使用し、内部パーツを交換する。(第10図)


第7図


第8図

第9図

第10図