![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| 掛詞 かけことば ―― | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ――『小人たちが騒ぐので』108ページ (川原泉/白泉社 JETS COMICS) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
《定義》 掛詞は、発音の類似性を使って、1つの言葉に2つの意味を持たせるというレトリックです。 つまり、同じ音の1つの言葉について、2つ以上の意味を持たせるというものです。言いかえれば、表面上は1つの意味でありながら、内容上は2つの意味を含ませている技巧を言います。 日本語には、同音異義語が数多くあります。「掛詞」が和歌の中で、たくさん使われている理由は、「日本語には同音異義語が多い」ということがあります。 この特徴を利用すると、表面上の意味と、隠された意味とを一語のなかに入れることが無理せずにできます。 この「掛詞」は、次の2つのパターンがあります。
なお「掛詞」は、「懸詞」という漢字が使われることもあります。 《例文を見る》 引用は『小人たちが騒ぐので』より。 なぜか、「コスプレ」というタイトルの中で、古風な言葉づかいによる話のやりとりがされています。ちょっと分かりにくいので、「掛詞」の説明をする前に、この2人の会話を現代語に直してみます。 と、直訳するとこういう感じになります。しかし、このように直訳しただけでは、意味のよく分からない文になってしまいます。これは、引用した部分に出てくる3つの和歌が、「引喩」としてはたらいているからです。 ですので、多少の脚色を加えながら意訳をしてみると、こんなふうになります。 と、意訳をすると、だいたいこんな所だと思います。 …と、場面の説明にやたらと長いスペースを使ってしまいました。ここは、「掛詞」のページなんです。ようやく、その「掛詞」の説明に入ることにします。 問題となっている「掛詞」が使われているのは、3つある和歌の中の2番目のものです。 山里は――この和歌の中にある「かれ」というのが「掛詞」になります。
最初のほうで書いた「掛詞の2つのパターン」で振り分けると、今回のものは「2.一つの言葉に、そのまま二つの語の意味を兼ねて使うもの」に当たります。 《レトリックを深く知る》 【1.「掛詞」と「しゃれ」との違い】 この「掛詞」は、原理的には「しゃれ」と同じものになります。ですが、この「掛詞」は、とりあえず、まじめな効果を狙ったものです。 しかし、「語呂合わせ」の持っている「しゃれ」による面白さの要素も、十分に含んでいます。 さらに。 『レトリック連環(成蹊大学人文叢書2)』(成蹊大学文学部学会[編]/風間書房)によれば、「掛詞」は単なる言葉の洒落なのではなく、「自然の光景」と「人間の心象風景」を重ね合わせる機能を有している、と説明されています。 このように、「掛詞」には「自然の光景」と「人間の心象風景」を重ね合わせる機能があると考えれば。引用した「人目も草もかれぬと思へば」という「掛詞」は、次のように読みとることができます。 つまり、
【2.「掛詞」の弱点】 ですが、この「掛詞」には、弱点があります。それは、中身のない形骸化した「掛詞」になりやすい、ということです。『古典文学レトリック事典』(國文学編集部[編]/學燈社)が挙げている例は、 というようなものです。「掛詞」には、このような決まりきった「掛詞」のパターンができてしまいました。このことは、平安時代からすでに問題視されています。 【3.引用で使われている「掛詞」以外のレトリック】 なお。 現在はふつう使わないような、古めかしい言葉を使う「古語法」というレトリックがあります。引用した部分も、この「古語法」にあたります。 また。 ここに出てくる和歌は、順番に「素性法師」と「源宗于」と「慈円」の作ったものです。他人の作ったものを引用しているわけで、「引喩」にも当てはまります。 このように、1つのシーンで2つ以上のレトリックが使われることも意外なことではなく、ごくふつうのことです。 【4.補足として】 補足として。 「冬はさびしさまさりける」というのは間違いだと思われます。 「冬ぞさびしさまかりける」が正しいはずです。なぜ、そういうことが言えるかというと、文末が「ける」になっているからです。つまり、係り結びになって、最後が連体形になっているからです。係り結びをするのは「ぞ・なむ・や・か・こそ」の5種類だけ。だから、「は」では係り結びをしないはずなのです。 以上のことから、「は」というのは間違いだろうと思います。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 関連項目→ |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
このサイト全体からのサーチ | 「使う目的別のページ」の中からサーチ |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |