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| 列叙法 れつじょほう accumulation | |
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それよっかさ―― オレも 「ヒトガタ」ってもん 探して 旅してるんだ、 おめーら 知ってるのか? 持ってるのか? そんな形だ? 色は? ニオイは? 食べた? うめーのか? てゆーか 食えんのか? あ、てか その前に… おまえら 「トモダチ」か? それとも「テキ」か? |
| ――『きみのカケラ』1巻84~85ページ (高橋しん/小学館 少年サンデーコミックス) |
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| 列叙法は、ことばをつぎつぎと並べて、積み重ねるレトリックです。つまり、さまざまな言葉や観念を畳みかけることをいいます。 |
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| 「列叙法」の効果については、使いかたによってかなりの幅があります。けれども、「列叙法」に含まれるレトリックのうち、どのレトリックに当てはまるかによって、ある程度しぼることができます。 ですので。 くわしくは、「列叙法」に含まれるレトリックの、それぞれの項目をご覧ください。 |
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| 【列叙法に含まれるレトリック】列挙法、敷衍、物尽くし(類装法)、花尽くし、揃物、漸層法(広義の)、漸層法(狭義の)、漸降法、連鎖漸層法、飛移法、頓降法 | |||||
| 同じようなことば、似たような考えかたを並べること。それが「列叙法」です。 | |||||
| 「列叙法」では、さまざまなフレーズを重ねていくことになります。そしてその結果としては、ある1つのことをあらわすことになります。逆にいえば。まとめれば1語にすることができそうなことを、あれこれと単語を連ねて表現するというものです。 | |||||
| ふつう「列叙法」というのは、必要ないと思われるほどにバラエティーあふれる表現を挙げていくものをいいます。ですので、そういった言葉づかいから圧倒されるような感覚を得ることにもなります。 | |||||
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| 例文は『きみのカケラ』1巻から。 その作品の舞台は、 と書かれているのように、とてもさびしい世界。 主人公は、「イコロ」という少女。彼女は、この国の王女。だけれども、この世界では、とてもじゃないけれども、王女らしい優雅な生活をすることはできない。 という状態。 こんな世界の中で、「ヒトガタ」と呼ばれる伝説があった。しかし、それが本当はどういうものなのか、誰も知らない。ただ、「ヒトガタ」という言葉が、この作品世界で大きな役割をもっている。 そんな中。「イコロ」たちの家に、突然1人の男の子が現れる。それが引用のシーン。 おめーらと、「?」が10個も続けて出てきます。この、いくつもの言葉の積み重なっている表現が、「列叙法」に当たります。 |
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| この「列叙法」は、さらにいくつかのレトリックに分類されます。おおきく分けると、2つになります。1つは「列挙法」のグループで、もう1つは「漸層法」のグループです。 これより下では、それぞれのグループについて書いていきます。 |
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| こちらは、「それぞれ同じチカラで」並べていくというグループです。 このグループには、つぎのようなレトリックが含まれます。 まず、当然ながら含まれるのが、
この「列挙法」のうち、ならべ方が強烈になると、
また、
くわしくは、それぞれの項目を参照して下さい。 |
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| こちらは、「順番を付けて、だんだんと」並べていくというグループです。こちらのグループには、つぎのようなレトリックが含まれます。 まず、
そして、この「漸層法(広義の)」に含まれるものとして、
また、この「漸層法(広義の)」に近いレトリックとして、 があります。 「漸層法(広義の)」の項目に、まとめが書いてあります。また、それぞれのレトリックの項目には、くわしい説明が書いてあります。あわせてご参照下さい。 |
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| 列叙法 | ||||
| 累積法・堆積法 | ||||
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| 列挙法、敷衍、物尽くし(類装法)、花尽くし、揃物、国尽くし、貝尽くし、漸層法(広義の)、漸層法(狭義の)、漸降法、連鎖漸層法、飛移法、頓降法、類義累積、点描法 | |||
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| 「列叙法」に含まれるレトリックは、細かく分類すると色々とそろっています。そういった細かいレトリックの説明までもまで網羅してある本として、これをあげることができます。 | |||
| まあ実際のところ、そんなに細かく分類する必要はない気がします。なので、この本に書いてあるくらいのことで十分だと思います。なお、『レトリック連環(成蹊大学人文叢書2)』(成蹊大学文学部学会[編]/風間書房) にある、[問題群としてのレトリック(執筆:森雄一)]が、『レトリック感覚』に言及しています。 | |||
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| さて。ここからは、長々と難しいことを書きます。読んでやろうという勇気のある人でなければ、読み飛ばして問題ありません。 ○はじめに で。 その、難しいこととは。 ひとことでいえば、どのように「列叙法」と「列挙法」とを区別するのかということです。 なお、ここより下の文章で多数登場する「enumeration」という英語は、ふつう「列挙法」と訳されているレトリック用語です。 ○これまでの理論への疑問 いちおう「列挙法」は、「上位にある1つの概念を言うために、その下位にあたることばを並べるレトリック」だといわれています。つまり、まとめれば1つにできるのに、その下位にあたることばを羅列する。それが「列挙法」だとされています。 たとえば。 「Silva Rhetoricae」に書いてある「enumeratio(=列挙法)」の解説には、そのようなことが書いてあります。(「enumeratio」に書いてある3つの定義のうちで、2番目のものです。) それに対して「列叙法」は、そのような「上位」だとか「下位」だとかいった決まりはない。ただ無秩序に、長々とことばが並んでいればよい。それが「列叙法」だということになっています。 なのですが、私(サイト作成者)が思うに。 実際のところ、並べられるようなものは自然と「上位」と「下位」という関係になります。というか、そういうものでないと並べられないはずです。なぜなら、ほんとうに無関係のことを並べたら文章が成り立たないからです。そう考えると、「上位」だとか「下位」だとかいったことでは「列叙法」と「列挙法」とを区別することはできないように思えてくるのです。 だとすると。 この「列叙法」と「列挙法」との違いは、どこにあるのだろう。それが、この長い文章のテーマとなります。 ○とりあえず調べたけれども いくつかのレトリック解説書を見ても、「列叙法」と「列挙法」とを明らかに区別する方法を書いてあるものが見あたらない。もっといえば、「列叙法」を説明している文章と、「列挙法」を説明している文章とのあいだに、違いが見あたらない。 それと。 インターネットの検索で「enumeration」を調べても、あまりレトリックを解説しているページに行き着かないのも気になる。 たとえば、英語の「Wikipedia」にはレトリック用語の「enumeration」が書かれていない。(「enumeration」の項目に書いてあるのは、数学に関したものだけです。) ほんとうに、「enumeration」というレトリック用語は今も生き続けているのだろうか。不安がよぎる。「列挙法」は絶滅した言葉なのかとさえ思えてくる。 ○興味深い理論 ただ、そんな中で。 『レトリック事典』だけが、「列挙」について何やら興味深いことを書いている。いわく、「列挙」とは「列叙」のなかでも、 すべての要素(すべての部分、すべての状況、すべての仕方、等々)を並べ上げるものだという(327ページ)。 ここに何度も出てくる「すべての」というのが、かなり興味深いのです。ほかの本には見られない考えかたなのだけれども、この意見が正しいのかもしれない。 この『レトリック事典』の考えかたに似ているものとして。 ドイツ語の「Wikipedia」にある、「Enumeratio」の項目があげられる。さっき上で、英語の「Wikipedia」には「enumeration」がない、と書いた。しかし、どうしたことかドイツ語の「Wikipedia」には、「Enumeratio」の項目がある。その長さは「たった2行」なのだけれども、とにかく存在することにはちがいない。 まあドイツ語なので、意味不明。なのだけれども、 erschöpfende Aufzählungというのは、 「余すところなく並べ尽くすこと」というような意味なのでしょう、おそらく。まあ、決して直訳ではないけれども。 そしてerschöpfendという単語から受けとることのできる、「~をやり尽くす」というニュアンス。そこからは、『レトリック事典』の定義に似たものを感じとります。 ○とりあえず結論 やっぱり、「列叙法」と「列挙法」とのあいだに違いを見つけるとしたら。「列挙法」のほうだけが、「残らず並べ尽くす」という意味を持っているというあたりなのかもしれない。私(サイト作成者)は、そのように考えています。 なお私(サイト作成者)は、大学時代の第2外国語がドイツ語だったというだけです。ドイツ語についてのもっとしっかりとした翻訳は、しかるべき人に聞いてください。 |
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