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| 超格法 ちょうかくほう anacoluthon | |||||||||||||||||
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| 『紳士同盟†(クロス)』1巻124ページ (種村有菜/集英社 りぼんマスコットコミックス) |
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《定義》 超格法は、文法に反するような文を意識的に作ることです。 つまり、文法から見るとルールから外れていることになる破格の表現をあえて使う。そのことによって、効果を上げようとすることです。 単語が組み合わさって、句や節をつくる。そして、句や節をもとにして文が成り立つ。 そうやって一つの文を作っていくなかで、どこかでルール違反が起きてしまった。そのために、文法から考えると正しくない文章が出来上がってしまった。 そのような文が、「超格法」というレトリック用語で呼ばれるものです。 登場人物の気持ちが高ぶっていること。もしくは、まだ十分に考えをまとめられていない。 そういったことを表現する場合などに使われます。 この「超格法」は、「破格構文」・「統辞破綻法」・「筋かい構文」といった名前で呼ばれることもあります。 《例文を見る》 引用は、『紳士同盟†(クロス)』1巻から。 主人公は、灰音(はいね)。彼女は、生徒会メンバーの1人。そして、生徒会長の閑雅(しずまさ)に心を寄せている。 しかし、とある事情から閑雅(しずまさ)を怒らせてしまい、一言も話をしてくれなくなってしまう。 そんな中で、生徒会の手伝いをしている十夜(とうや)から手紙が届いた。それが引用のシーンです。 見てのとおり、日本語がヘンです。 仲直りが十夜君という言葉づかいは、どう見ても文法に違反しています。 そして、下に「混乱」と書いてあることから分かるように、これは灰音(はいね)の心が動揺していることを表しています。 ですので、「超格法」ということになるわけです。 《レトリックを深く知る》 【1.「超格法」の文法違反】 たしかに「超格法」は、あえて文法に反するような書きかたをするレトリックです。つまり、それはワザとしていることです。決して、文法の力が足りないことから生じているわけではありません。 ただし、かたちの上で「超格法」が文法に違反しているということは事実です。なので、読み手に対して「間違った文章を書いている」という誤解を与えかねない、微妙なレトリックです。実際に使うときには、そういったことにも注意する必要があります。 【2.文法でいう「破格構文」】 なお。 文法で、「破格構文(anacoluthon)」といったばあい。それはふつう、文法と比較して考えたばあいには、「うっかりしていて」文法ルールに違反してしまったことをいいます。そして、この「うっかりミス」というのは、大きく分けると2つのパターンに分けることがます。
それはナゼかというと。 人間が話をするために、ことばを使う。からです。たとえば、
このように、話しことばの中では、文法の規則どおりではないような表現ばっかりです。そして文法のルールに照らして考えれば、このようなものでも「破格構文」といえます。 ですがレトリックでは、こういった文法でいう「破格構文」とちょっとニュアンスがちがいます。ふつうレトリックの世界では、そういった文法のルールに対する違反を、わざと表現として使うことを指します。 なので、どうしても。 レトリックで言う「破綻構文」というのは、書きことばのほうに多く出てくることになります。まあ、とても話が上手であれば、話しことばでも「わざと」ミスをすることも考えられます。ですがどうしても、1回きりで終わってしまう「話しことば」よりも、書き直しができる「書きことば」に重心がおかれているといえます。 【3.『大谷は、くまカレー』についての難問】 ここからは、『ラブ★コン』について書くことになるのですけれども。
ここで問題としたいのは、主人公の「小泉リサ」という女の子が使ったセリフです。 このセリフが用いられることになったシーンを説明するのは、ネタバレがひど過ぎます。なので、細かな説明は控えておくことにします。 とりあえず、「大谷」というクラスメイトの男の子がいて、彼に関するセリフだということだけ書いておきます。…あとは察してください。 とりあえず、 という「小泉リサ」のセリフについて書きたいのです。なお、「熊カレー」というのは商品の名前です。 で。結論から書くと、 「超格法」と「頓絶法」とは、レトリックとして近くにあるということです。 「頓絶法」について確認しておくと。言いかけていた話を、途中でやめるというレトリックが「頓絶法」です。「ためらい」「怒り」「気持ちの高ぶり」などによって、その人が言葉を続けられなくなった。そのような表現です。たいていのばあい、ことばの最後に「……」とか「――」とかいう記号がつきます。 では。問題となっている、 というセリフ。これは、「超格法」なのでしょうか。それとも「頓絶法」なのでしょうか。 …ハッキリいって、こんなのは区別できません。 このセリフが、文法からすれば間違っているのはたしかです。「大谷」は人間なんだし、「熊カレー」は缶詰めの商品なんだから。そういうわけで、主語と述語の使いかたを間違っている「超格法」の文だともいえます。 けれども、このセリフを「言いかけて、ことばを詰まらせている」と見ることもできます。つまり、言いたいことは「大谷は、くまカレーを……」とかいうのと同じ。でも、最後に「を……」というような単語がなかったばっかりに、典型的な「頓絶法」っぽくない文になっているだけ。そのようにも、いえます。 ですが、じつは。 「超格法」と「頓絶法」というのは、近くにあるレトリックなのです。 「頓絶法」の側から説明をすると。「頓絶法」は、話を途中までしかしないで、あとは切り上げるかたちになります。ですので当然、文が完結していないものとなります。それは、文法から見れば「最後まで書かれていない」というルール違反の文になるのです。それはつまり、「超格法」の文ということです。 逆に「超格法」の側から説明すると。「超格法」は、文法のルールから外れている文をいいます。ですのでその中には、文の後ろの部分がなくなってしまっているというタイプもあります。このタイプは、セリフを話している人が「途中で言いよどんだ」とも受け取ることができます。それはつまり、「頓絶法」の文ということです。 「超格法」が、文の成り立ちに注目した定義になっている。それにたいして「頓絶法」が、話し手の気持ちに着目した定義になっている。ただ、それだけの違いがあるというだけです。 まあもちろん。「超格法」は、文の後ろの部分がなくなっているというタイプばかりではありません。画像を引用してきた、 「仲直りが十夜君」の後ろに何が続くのかと聞かれても、それは分かりません。この引用を、文の後ろがなくなったタイプの「超格法」と考えるのには無理があります。 ですので、「超格法」と「頓絶法」とがピッタリ重なり合うというわけではありません。ですが、この2つがわりと近いところにあるということも、たしかなことです。 《駄文》 とくに、なにかを意図したわけではないのだけれども。 なぜか、「駄文」に書くことになる2つのトピックスが、両方とも「印刷業界の用語」っぽいものになりました。 【1.「のんぶる」について】 「ノンブル」とは。 フランス語の「nombre」のことで、英語でいうところの「number(ナンバー)」にあたります。なので、「番号」とか「順番」とかいった意味の単語です。 なのですが、とくに「印刷業界」では。 「ノンブル」といえば、「ページ数」のことをいいます。つまり、それぞれのページの外側に書いてあるページ番号のこと。これを「ノンブル」といいます。 しかし。 この、『紳士同盟†(クロス)』というコミック。この「ノンブル」(=ページ番号)が、ちっとも印刷されていない。なので、引用しようとしているところが、いったい何ページ目なのかが全然分からない。 そのため。 124ページも紙をめくって、何ページ目からの引用なのかを確認というハメになりました。これは、ひと苦労でした。 …「裁ち切りが、あまりに多すぎる」。この「裁ち切り」というのも、「印刷業界の用語」なのか…。…。 【2.「だがー」について】 「ダガー」とは。 英語で、「短剣」だとか「短刀」といった意味をもつ単語です。つづりを書けば、「dagger」です。ちょっと前に、秋葉原で連続殺傷事件がありました。あの犯人が持っていたのが、ダガーナイフ。つまり、「ダガー」です。 なのですが、とくに「印刷業界」では。 「ダガー」といえば、「†」のことをいいます。とくに、「参照してください」ということを示すために使われたりします。そういったことはともかくとして、この「†」という記号(約物)を「ダガー」と呼びます。そしてこの記号(約物)は、「短い剣」をかたどったものです。 しかし。 この、『紳士同盟†(クロス)』というコミック。この「ダガー」にたいして、「クロス」という意味があてられている。というよりもむしろ、「クロス」というルビをふった記号(約物)が、「ダガー」になっている。 そのため。ものすごく、違和感があるのです。 たしかに。 単行本の表紙につけられている「タイトルロゴ」は、どうみても「十字架」です。まちがいなく、「十字架」です。なので、「クロス」という読みかたをするのは、ごくあたりまえの自然なものです。 しかしながら。 ![]() 「扉」。――本を開いてすぐの、タイトルが書いてあるページのことです。 「奥付」。――本のいちばん最後のほうにある、出版社とか著作者とか©マークとかが書いてあるページのことです。 そこを見てみると。 そこには、たしかに「紳士同盟†」と書いてあります。このサイトを見ているかたの多くは、たぶんブラウザが「ゴシック体→ しかし。 「†」=「ダガー」=「短剣」。この2つは、違うものだと思うのです。 なんだか。 やっぱり、「マンガ家さん」と「DTPオペさん」とのあいだには、深くて果てしないミゾがあるみたいです。 もっとも。 「†(ダガー)」は、そのかたちが「十字架」に似ています。そのことからの連想で、「人が亡くなった年」とかの前に「†」を記号(約物)つけることもあります。また、「もはや今は、使う人がいなくなってしまった言語」という意味で、この「†」をつけることもあります。このあたりについて、くわしくは「ウィキペディア」にある「短剣符」のページも、ご覧ください。 そういうわけで。 「†(ダガー)」を使うということが、「明らかな間違い」だとは言いづらいのは、たしかです。けれども、やっぱり違和感があるんだよなあ。 まあ、そうはいっても。 「†」でなければ、どの記号(約物)にすればよいかというのも難しいです。どうも、「十字架」をあらわすような、うまい記号(約物)がないのです。 「+」(プラス:計算記号)、「┼」(ケイ線の十字記号)、「十」(漢数字の10)。…やっぱり、どれも違います。ぜんぜん違います。そもそも、「漢数字の10」は記号(約物)ではありません。 ですが。 残念ながら、「十字架」をあらわすような記号(約物)は、そもそも存在しないのです。シフトJISコードをつかって、パソコンで表示できるものとしては。ですので、「†(ダガー)」ではダメだといわれても、ほかに打つ手がないのです。 まあ、もっとも。 Unicodeをつかえば、「十字架」を取りあつかうこともできます。たとえば、「✝」だとか「✚」といったあたりは「十字架」をあらわすためのものです。けれども、どうも印刷現場でUnicodeを使って組版をしているという感じはしません。 ただ。 私(サイト作成者)は、DTPの現場から遠くなってしまっています。ひとむかし前のことはともかく、いま現在どのくらいUninodeが広まっているかだとかいった新しい情報は、知る手段がありません。 最近は、OpenTypeフォントというものがある。OpenTypeフォントを使えば、Unicodeに対応しているはず。DTPでも、OpenTypeフォントへの乗りかえが始まっている、らしい。ただ。じゃあ、いったいどれくらい進んでいるかということは、よく知らない。 なので。 ほんとうのDTPオペさんが、このページを見たら。「なんだかヘンなことを語っているなあ」と思うかもしれません。そのあたりは、DTPを仕事をしているわけではない人間が作っているサイトでの書きこみなので、カンベンしてください。 …そういえば。「約物」っていうのも、「印刷業界の用語」なのか…。…。 <補足>私(サイト作成者)が使っているパソコンでは。という いちおう。 このサイトを、どんなブラウザを使って見ていただいたかという統計からすると。「Safari」は、限りなく0%に近いです。細かく書いてみると。「Internet Explorer」=60%、「Netscape Navigator」=40%、「Opera」=0.5%くらい。「Mozilla Japan」「Safari」の2つのブラウザで、このサイトにやってきたという人は。残念ながら、ほぼ0%です。 |
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| 関連項目→文体落差、 |
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