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| 倒置反復法 とうちはんぷくご antimetabole | ||||||||||||||||
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| ――『鋼の錬金術師』5巻181~183ページ (荒川弘/スクウェア・エニックス ガンガンコミックス) |
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| 倒置反復法は、2つ同じのことばを順序を逆にして繰り返すレトリックです。つまり、「AB-BA」という順番で、ことばを並べるレトリックです。 | |||||
| 「倒置反復法」では、2つの同じ単語をくり返します。しかも、その2つの単語は、順番を変えながら反復することになります。ですので、かなり鮮やかなレトリックになります。 | |||||
| このレトリックは、かなり鮮やかなものです。なので、この「倒置反復法」を使ったヒトは、かなり強い主張をしていると考えられます。 | |||||
| この「倒置反復法」は、「AB」の部分と「BA」の部分とが鏡のように対称になっています。そのため、かなり美しさを出すことができます。 | |||||
| このレトリックは、ことばをくり返しています。言いかえれば、同じ単語が2回出てくるわけです。このことから、強調をすることになります。 | |||||
| 倒置していて、しかも反復している。このことから、ととのった美しさのある文になります。 | |||||
| このレトリックは、かなり技術的なものです。意識せずに使うということは、まずありません。そのため、使い手に「知性」などのイメージをもつことができます。 | |||||
| このレトリックは、同じ単語をくり返します。決して、同じような意味の単語とか、同じような音を持った単語では、成りたちません。まったく同じ単語をくり返します。 | |||||
| たとえば、さいしょに「AB]という順番で登場したばあい。次には必ず「BA」という順番で、あらわれることになります。まあこれは、日本語ではあまり問題になることはありません。 | |||||
| このレトリックは、かなり「わざとらしさ」を感じてしまうこともあります。つまり、ことばの受け手の印象に残るように、「わざわざ」使っていると感じとられることもあります。 | |||||
| とくにヨーロッパのことばでは、語順のルールが厳しくなっています。ですので、ことばを倒置してしまうと、文法のルールに違反してしまうことがあります。これは、日本語ではあまり問題にはなりません。 | |||||
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| で、引用は『鋼の錬金術師』5巻。 通りすがりに、錬金術を使う女性と出会った、エドとアルの兄弟。 彼女の弟子にしてもらおうとして、懇願する。その結果、見習い期間として「1か月」の間、仮に弟子にしてもらい、そこで錬金術がうまく使えるようであれば本当の弟子にする、というふうに、条件付きだけれども弟子になる許可をもらう。その時からアドとアルは、彼女を「せんせい」と呼ぶようになる。 で、弟子になって「せんせい」に列車と船で連れてこられたのが、無人島。この無人島は(無人なんだから当たり前だが)電気無し・井戸無し・雨をしのぐ家も無し。ここでの「せんせい」の言葉が、引用のシーン。 「この島で一か月、あんた達二人だけで生きのびなさい」と言われる(引用ではカットしたけれど、「その間、錬金術使うの禁止ね」とも言われる)。そして、次のセリフの 『一は全 全は一』というのが、「倒置反復法」にあたります。「全・一、一・全」と、交差的に言葉が並んでいます。 エドとアルの兄弟は、無人島で1か月暮らす間に、その言葉の意味する答えを見つけなさいという課題を与えられる。 この「一は全 全は一」という言葉の意味する答えが何なのか知りたい人は… 『鋼の錬金術師』6巻を読んで下さい。置き去りにされたのは5巻なんだけど、この「一は全 全は一」の答えを「せんせい」に言っているシーンは6巻にあるんです。だから、答えのほうは、それぞれ皆さんで、6巻を読んで下さい。 |
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2つ目の
主人公は「獏(バク)」。あだ名は「ばっくん」。 「ばっくん」は自分について、 人の悪夢を主食とすると、自己紹介しています。 人間の夢には、2つの種類がある。ひとつは、希望をもって前向きに進んでいくという「夢」。もうひとつは、希望を持てずに前に進むことができないという「悪夢」。 この2つのうち「ばっくん」は、心に「悪夢」を持っているヒトのために、お店を開いている。「悪夢」が大きくなってしまったヒトの、その「悪夢」を食べる。そうして「ばっくん」は、結果として「悪夢」を取りのぞくことになる。 でも、「悪夢」を断ちきるためには。その「悪夢」を持っているヒトが、「悪夢」から決別する強い意志が必要となっている。 今回、「悪夢」と戦っているのは「ゆゆこ」。彼女は、童話作家を目指して専門学校に進んでいる。けれども、ちっとも創作活動がうまくいかない。なので「ゆゆこ」は、ひどく悩んでいる。 そして、この「悪夢」を振りはらったとき。「ばっくん」は、「悪夢」を食べる。「夢」のうち「悪い部分」を食べるのだから、まあ「獏(バク)」だということになります。 そうやって、「悪夢」と向き合っているのが、引用のシーン。「悪夢」(=闇)と、「夢」(=光)という2つをが倒置反復法」になっている。それが、このシーンです。 |
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| ※ これより先は、すこし専門的なことを書きます。ですので、興味のある方だけ読んでいただければと思います。 | |||
| このページで紹介している「倒置反復法」には、似たようなレトリックがあります。それは、「交差配語法」というものです。 問題となるのは、「交差配語法」というヤツ。これが、「倒置反復法」とはどのように違うのかということです。つまり、「倒置反復法」と「交差配語法」との線引きを、どのようにするか。そこに、ふれておきます。 おおまかに見たところ、大きく分けると説明のしかたは「4通り」に分かれているようです。ですので、その4つに分けて説明をしていきます。 なお、このサイトでは。下に書く まず。 このサイトが採用したのは、次のような分けかたです。
例をいくつか書いておくと。
この説をとるメリット。それは、「倒置反復法」と「交差配語法」を間違いなく見わけることができる、ということです。「A」という単語と「B」という単語があって、それが「AB-BA」とならんでいれば「倒置反復法」になります。 それにたいして、この説のデメリット。それは、日本語のばあい「交差配語法」にあたる文をめったに見かけない、ということです。 私(サイト作成者)が、コミックスの中で「交差配語法」がにあたるとハッキリと言える例。それは、今のところ『君が主で執事が俺で』というタイトルしかありません。 なぜ、この「交差配語法」が数少ないのかというと。 現実に使おうとしても、日本語ではインパクトの強い文章になりにくいからです。つまり、なにか「仕かけ」をしたフレーズだとは気がついてもらうことができにくい。そのため、そのまま気づかずに通り過ぎてしまう読み手=聞き手が多くなる。となれば、書き手=話し手としては、できればそういったことになるのは避けたい。結果として、「交差配語法」が使われることがあまりない。 とまあ、こんな事情が原因になっているのではないかと思います。 なお、この説をとっているものとしては、 『レトリック辞典』があげられます。 これは、「交差配語法」という用語と同じだとする考えかたです。 この説をとっているものとしては、
倒置反復(Antimetable)――順序を逆転して繰り返す。交錯配語法と同じ と書かれています。そして、「交錯配列法」というのは、「交差配語法」と同じ意味の用語です。なので、明らかに「同じ」ものだということになります。 ですが。 この説では、同じ意味のレトリック用語が2つあることになります。そしてそれは、腑に落ちない感じがします。ですが、それ以外のことについては納得のいく説明だといえます。 これは。 「交差配語法」と「倒置反復法」との区別を、とりたてて問題としないというものです。
「語句のくり返し」であるか、それとも「構成のくり返し」であるかによって、区別しようとする考えかたもあります。つまり、
こういった説明については、
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| この「倒置反復法」をはじめとする、コントラストをつくるレトリックについては、「対照法」にまとめられています。 そちらもご参照ください。 |
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| 倒置反復・倒置反復法 | |||||
| アンチメタボレー | |||||
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| 対照法、交差配語法、同形節反復、対偶法・対置法、対句、逆対句、方便法、抑揚法 | |||
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| 辞典としては、かなり長く「倒置反復法」の説明が書いてあります。このページの「ネタ本」でもあります。 | |||
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