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呼びかけ法 よびかけほう apostrophe
――『パフェちっく!』1巻27ページ(ななじ眺/集英社 マーガレットコミックス) (学校のにおい♡)

「わーいっ
3年間よろしく高校!!
キャーッ」
――『パフェちっく!』1巻27ページ
(ななじ眺/集英社 マーガレットコミックス)

 《定義》

呼びかけ法は、その場にいる人間以外のものに呼びかけるレトリックです。
呼びかける相手は、いろいろなものがあります。たとえば「架空の人物」とか「その場にいない人物」、または「擬人化された物や概念」や「読者や聞き手」といったものがあげられます。
こういったものに対して語りかけるのが、「呼びかけ法」です。

この「呼びかけ法」は、呼びかけている人の心が高まっていたりすることを表します。



 《例文を見る》

例文は『パフェちっく!』1巻から。

主人公は亀山風呼。

今日から、高校生活がはじまった。ところが学校から帰るときに、置いてきた忘れ物に気がつく。で、誰もいない学校の教室に入ったのが、引用のシーンです。
3年間よろしく高校!!
と風呼が「高校」に話をしているところが、「呼びかけ法」に当たります。

高校は「人間」ではありません。ですが、高校という物が「擬人化」されて、話しかけられています。ですので、「呼びかけ法」にあたります。



 《レトリックを深く知る》

あとは、「呼びかけ法」についてのあれこれ。


 【1.「呼びかけ法」の名前】

このレトリックの名前については、「頓呼法」というのもメジャーです。

私(サイト作成者)は、「頓」という漢字が常用漢字外だということから使うのを避けて、「呼びかけ法」というほうを採用しました。ですが「頓呼法」のほうも、同じくらいよく使われる呼びかたです。


 【2.「設疑法」とか「擬人法」との関係】

人間以外のものに話すというのは、「設疑法」にも通じるものがあります。

その点については、くわしくは 「設疑法」のほうに書いておきました。ですので、そちらをご参照ください。

また、この「呼びかけ法」は「擬人法」に近いと言えます。「呼びかけ法」では、その場にいる人間以外のものに呼びかけています。なので一見すると、その場にいる人間以外のものを人間として扱っているように思えるのです。つまり、「擬人法」と似ているのです。

ですが、「擬人法」とは別のレトリックです。

どういうことかというと。

「呼びかけ法」のばあいには、話しかけている相手は返事をしません。ここにいう「話しかけている相手」というのは、架空の人物だったり、その場にいない人物だったり、または擬人化された物や概念だったりします。ですがとにかく、こういった「話しかけている相手」は、返事をしません。

もしも「擬人法」であるばあい、呼びかけた相手からの返事がなくてはなりません。その部分で、「擬人法」とは区別されます。


 【3.「呼びかけ法」のグループ】

なお。
『レトリック事典』は「感嘆法」のグループに、「呼びかけ法」以外にもレトリック用語を並べています。具体的には、
3-2-2 感嘆の下位クラス
3-2-2-1 《呼びかけ》 → 呼びかけ法
3-2-2-2 《驚嘆》
3-2-2-3 《願望》
3-2-2-4 《祈願》 →祈願法
3-2-2-5 《嘆願》
3-2-2-6 《訴願》
3-2-2-7 《誓願》
3-2-2-8 《歓喜[の叫び]》
3-2-2-9 《祝福》
3-2-2-10 《呪詛/のろい》
3-2-2-11 《脅迫》
3-2-2-12 《嫌忌》
3-2-2-13 《慨嘆》
3-2-2-14 《悲嘆》
3-2-2-15 《忍苦》
3-2-2-16 《感嘆結語》
とまあ合計16個ほど、延々と並べています。

しかし。
この16個ほど並べられたレトリックは、かんたんに今の日本語の文章に見つかるものではありません。現代の日本語のことを考えると、こんなに16個通りにも区分けするのは、かなり難しいことです。

そのことは、この16個のレトリックを解説するときに『レトリック事典』があげている例文をあげていれば、わかります。もれなくすべて、訳文なのです。日本語の文章は、1つもありません。

やっぱり、日本語では。こんなに数多く分類しておく必要は、なさそうです。


 【4.なので、4種類にまとめた】

このページで取りあげている、「宣誓・宣言」というレトリック。これには、近いかんじのするレトリックが、いくつかあります。なので、そのあたりを紹介しておくことにします。
宣誓・宣言 (oath) ―― 神聖なものに誓う、というカタチをとるもの。ただし「誓う」という言葉は使ってはいるものの、実際には、その誓ったことばを強調するというニュアンスが与えられる程度。(*1)
宣言 (swearing) ―― もともとは、「神に誓う」という本来の目的があった。だけれども時代とともに、「みだりに神の名を口にすることになる。なので、神聖をけがす言葉づかいだ」という意味を持った。このため「宣言」という単語が、使った相手を非難する言葉を示すことになった。さらに、現代では「悪口を言うこと」「ののしること」ということも表すようになった。(*2)
願望 (optation) ―― これは、自分が望んでいるモノゴトを、感嘆を使って表現すること。願望する相手が「神や仏」に限らないというところに、ほかのものと違いがある。(*3)
祈願・懇願・嘆願 (obsecration) ―― 苦しいときに、神などの神聖なものに祈ること。日本人が正月に「神社仏閣」に行って(心の中で)祈るということ。それは、このレトリック用語がピッタリすると思う。(*4)
「祈り」のパターンを、4つに分けてみたのですが。こんなに、いろいろと分類することに意味があるのかはナゾです。

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注(*1) 『日本語の文体・レトリック辞典』、『日本語レトリックの体系』、『レトリックの本(別冊宝島 25)』(石井慎二[編]/JICC出版局) 』、ほか
(*2) 『現代英語学辞典』(石橋幸太郎[編集代表]、勇康雄・宇賀治正朋・勝又永朗・鳥居次好・山川喜久男・渡辺藤一[編集]/成美堂)、ほか
(*3) 『レトリック事典』、ほか
(*4) 『文学修辞学―文学作品のレトリック分析―』(H.ラウスベルク[著]、萬澤正美[訳]/東京都立大学出版会)、『レトリック事典』、ほか
関連項目→感嘆法、擬人法活喩法擬物法結晶法設疑法隠喩諷喩寓言、寓話
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