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| 交差配語法 こうさはいごほう chiasmus | |
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『君が主で執事が俺で』 1 白猫参謀&皇ハマオ [原作]みなみそふと |
| ――『君が主で執事が俺で』1巻表紙 (白猫参謀・皇ハマオ[著]、みなみそふと[原作] /角川書店 角川コミックス・エース) |
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| 交差配語法は、2つの似たことばを順序を逆にして繰り返すレトリックです。つまり、「AB-B’A’」という順番で、ことばを並べるレトリックです。 | ||||
| …というふうに、《定義》を書いてはみたものの。このレトリックは、かなり分かりづらいものです。 なので。 ちょっと長くなりますが、くわしく説明することにします。 「交差配語法」のつくりかた。
しかし。 これでもまだ、かなり分かりにくいと思います。これでもやっぱり、抽象的な説明になっているからです。 なので。 《例文を見る》のほうで、「例文」といっしょに確認してみることをおすすめします。 |
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| 「交差配語法」では、2つの似た単語をくり返します。「倒置反復法」のように、同じ単語を反復するわけではありません。そのため、少し鮮やかに欠けるレトリックになります。 | ||||
| 「倒置反復法」には及びませんが。この「交差配語法」でも、「倒置反復法」に似た効果を出すことができます。なので、この「倒置反復」を使ったヒトは、なにか主張をしていると考えられます。 | ||||
| この「交差配語法」は、似た意味の単語を、鏡のように対称にして反復します。そのため、「倒置反復法」にかなり近い美しさを出すことができます。 | ||||
| このレトリックは、似たことばをくり返しています。言いかえれば、同じような単語が2回出てくるわけです。このことから、「交差配語法」を使うことで伝えたいメッセージを強調することができます。 | ||||
| 似た言葉をくり返して、しかも順番を入れかえている。このことから、ととのった美しさのある文になります。 | ||||
| このレトリックは、かなり技術的なものです。意識せずに使うということは、まずありません。そのため、使い手に「知性」などのイメージをもつことができます。 | ||||
| このレトリックは、似た単語をくり返します。「倒置反復法」では、まったく同じ単語を反復します。ですが、「交差配語法」では、意味の近い2つの単語をくり返します。 | ||||
| たとえば、さいしょに「AB]という順番で登場したばあい。次には必ず「B’A’」という順番で、あらわれることになります。まあこれは、日本語ではあまり問題になることはありません。 | ||||
| このレトリックは、かなり「わざとらしさ」を感じてしまうこともあります。つまり、ことばの受け手の印象に残るように、「わざわざ」使っていると感じとられることもあります。 | ||||
| とくにヨーロッパのことばでは、語順のルールが厳しくなっています。ですので、ことばを倒置してしまうと、文法のルールに違反してしまうことがあります。これは、日本語ではあまり問題にはなりません。 | ||||
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| とりあえず。 『君が主で執事が俺で』というフレーズが、典型的な「交差配語法」です。なので、この『君が主で執事が俺で』というヤツを、例文にしてみたいと思います。 この『君が主で執事が俺で』というのは、さいしょはゲームとして発売されたものです。ですが、アニメ化などのメディアコンプレックスによって、いろんな派生ジャンルに広がっています。コミックスも発売されているので、「ふき出しのレトリック」で紹介しても問題ないでしょう で。 これがなぜ「交差配語法」なのかということを、《定義》で書いた説明に合わせて見ていくことにしましょう。
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| ※ これより先は、すこし専門的なことを書きます。ですので、興味のある方だけ読んでいただければと思います。 | |||
| このページで紹介している「交差配語法」には、似たようなレトリックがあります。それは、「倒置反復法」というものです。 問題となるのは、「倒置反復法」というヤツ。これが、「交差配語法」とはどのように違うのかということです。つまり、「倒置反復法」と「交差配語法」との線引きを、どのようにするか。そこに、ふれておきます。 おおまかに見たところ、大きく分けると説明のしかたは「4通り」に分かれているようです。ですので、その4つに分けて説明をしていきます。 なお、このサイトでは。下に書く まず。 このサイトが採用したのは、次のような分けかたです。
例をいくつか書いておくと。
この説をとるメリット。それは、「倒置反復法」と「交差配語法」を間違いなく見わけることができる、ということです。「A」という単語と「B」という単語があって、それが「AB-BA」とならんでいれば「倒置反復法」になります。 それにたいして、この説のデメリット。それは、日本語のばあい「交差配語法」にあたる文をめったに見かけない、ということです。 私(サイト作成者)が、コミックスの中で「交差配語法」がにあたるとハッキリと言える例。それは、今のところ『君が主で執事が俺で』というタイトルしかありません。 なぜ、この「交差配語法」が数少ないのかというと。 現実に使おうとしても、日本語ではインパクトの強い文章になりにくいからです。つまり、なにか「仕かけ」をしたフレーズだとは気がついてもらうことができにくい。そのため、そのまま気づかずに通り過ぎてしまう読み手=聞き手が多くなる。となれば、書き手=話し手としては、できればそういったことになるのは避けたい。結果として、「交差配語法」が使われることがあまりない。 とまあ、こんな事情が原因になっているのではないかと思います。 なお、この説をとっているものとしては、 『レトリック辞典』があげられます。 これは、「倒置反復法」という用語と同じだとする考えかたです。 この説をとっているものとしては、
倒置反復(Antimetable)――順序を逆転して繰り返す。交錯配語法と同じ と書かれています。そして、「交錯配列法」というのは、「交差配語法」と同じ意味の用語です。なので、明らかに「同じ」ものだということになります。 ですが。 この説では、同じ意味のレトリック用語が2つあることになります。そしてそれは、腑に落ちない感じがします。ですが、それ以外のことについては納得のいく説明だといえます。 これは。 「交差配語法」と「倒置反復法」との区別を、とりたてて問題としないというものです。
「語句のくり返し」であるか、それとも「構成のくり返し」であるかによって、区別しようとする考えかたもあります。つまり、
こういった説明については、
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| この「倒置反復法」をはじめとする、コントラストをつくるレトリックについては、「対照法」にまとめられています。 そちらもご参照ください。 |
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上のほうでも、ちょっと書きましたが。 この「交差配語法」というレトリック。日本語では、めったにお目にかかることがありません。 その理由をまとめると、つぎのようになります。
なのですが、反対にいえば。 英語とかのヨーロッパのことばには、ちゃんと「交差配語法」が見つかるということでもあります。 たとえば。 このページで《例文》として使った、『君が主で執事が俺で』というタイトル。 もしこれを英語に直訳したばあい、 You are the Master, the Servant is Me.といった文になります。 けれども困ったことに。 この英文は、明らかに英語の文法ルールに違反したものなのです。 たしかに、 You are the Master,のほうは問題ありません。ですが、 the Servant is Me.という文は、かなりの文法に逆らったフレーズです。この言いまわしでは、「倒置」された文だと受けとられることは確実です。もし中学校の英語のテストで書いてしまったら、不正解の文章になると思います。 なのですが。 それは、反対にいえば。ふつうとは違った「ヘンな形の文」だな、と感じるような文章だということになります。そして人は、「ヘンな形の文」を見せられた時に、その文章に注目します。で、そこに注目することによって「レトリックっぽさを強くかんじさせる」言いまわしだ、と感じることになります。 なので。 英語の“the Servant is Me.”というフレーズは。それが「ヘンな形の文」であるがために、「レトリックっぽさ」を感じさせることになるのです。 なのですが、反対にいえば。 日本語の、 〈執事が俺で〉というフレーズ。これは必ずしも、日本語の文法に逆らったものだとはいえないということです。 たしかに、多く使われるのは〈俺が執事で〉というフレーズのほうだとは思います。ですが、〈執事が俺で〉という言いかたをすることもあります。 「社長が俺で」「先生が俺で」「運転手が俺で」…というようなものも、日本語では「場合によっては使われることがある」言いまわしだと思います。 ですが、 *The president is me. / *The teacher is me. / *The driver is me. といった文は、英語では「絶対にありえない」言いまわしです。 そして。 「絶対にありえない」からこそ。あえてこのような言いまわしを使うことが、「交差配語法」という名前をつけるほどのフレーズだということになるわけです。 まあ、そういったわけで。 日本語でハッキリ「交差配語法」だといえるようなフレーズは、かなり少ないということになります。 |
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| ※「交差」という単語は、「交叉」と書かれることもあります。 | |||||
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| 対照法、倒置反復法、同形節反復、平行体、対偶法・対置法、対句、逆対句、方便法、抑揚法 | |||
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| 辞典としては、かなりの長く「倒置反復法」の説明が書いてあります。このページの「ネタ本」でもあります。 | |||
| この辞典では。「交錯配列」とか「交差対句法」といった用語を、細かく分けて解説してあります。たとえば「交差対句法」という用語をつかうときは、「対句」がもっている警句っぽいかんじが強くなる、とか。そのあたりが気になるかたは、こちらを読んでみて下さい。 | |||
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