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漸層法(広義の) ぜんそうほう climax

 《定義》

漸層法(広義の)は、いくつもの表現を並べるなかで、表現を強める(または弱める)レトリックの総称です。
ふつうは、しだいに盛り上げてピークをつくったりだとか、逆にしだいにトーンダウンして落ちていく感じにしたり表現をとります。つまり、ことばを連続させるなかで、力や大きさを徐々に変化させるものが一般的です。

言葉の使いかたでいえば、前にある言葉のすぐあとに、さらにその内容を大きくするような(小さくするような)言葉を加えるものです。



 《レトリックを深く知る》


 【1.「漸層法」に近いレトリック】

この「漸層法(広義の)」は、つぎのように分類されます。
まず「漸層法(広義の)」に含まれるものとして、
  • 漸層法(狭義の):ことばを、段階を追って強めていくもの(もっとも典型的な「漸層法」)

  • 漸降法:ことばが、段階を追って弱まっていくもの

  • 連鎖漸層法:ある文に現れた表現を、次の文の中で反復しながら強めていくもの
があげられます。ここにあげた「漸層法(狭義の)」と「漸降法」は、反対の関係にあることが分かります。

また、この「漸層法(広義の)」に近いレトリックとして、
  • 飛移法:表現の方法だとか内容の調子を(段々とではなく)急激に変えるレトリック

  • 頓降法:段々と盛り上がってきたものが、急に落ちるように展開するレトリック
があります。

くわしくは、それぞれの項目を参照して下さい。


 【2.「漸層法」と「はしご」】

「漸層法」は、「はしご」にたとえることができます。
つまり「漸層法(狭義の)」なら、はしごを登るように、だんだんと表現を強めていくこと。逆に「漸降法」なら、はしごを降りるように、だんだんと表現を弱めていくこと。といったことになります。

実は「漸層法(広義の)」に付いているclimaxという英語の語源は、「はしご」という意味のギリシャ語です。つまり、はしごを登り降りするようすと、このレトリックの使われかたがよく似ているというわけです。


 【3.ちょっとした用語の不統一について】

なお、 という日本語のレトリック用語。そして、それに対しての、
  • bathos
  • anticlimax
という英語のレトリック用語。
この用語をどのように区別するかについては、統一されていないように思われます。そもそも、日本語のほうには3つの用語があるのに、英語のほうには2つしか用語がない。そういったことからみても、まだ一致された考えかたがない、ということを物語っています。

この点についてこのサイトでは、次のように区別することにします。

頓降法」(=bathos)は、ことばが段々と盛り上がっていったあとに、最後で急にストンと落とすというレトリック。
漸降法」(=anticlimax)、は、ことばが段々と弱まっていくというレトリック。
そして、あまってしまった「反漸層法」については、「漸降法」の別の呼び方だということにします。

ただしこの区分は、あくまで1つの考えかたです。他の人が書いた本だとか、他の人が作ったサイトでは、違った説明がされている場合があります。
ですので、その解説をしている人が、どのような区別をしてレトリック用語を使い分けているか。そこのところを、よく見きわめて下さい。
関連項目→列叙法漸層法(狭義の)、連鎖漸層法、漸降法頓降法飛移法変態法、頓旋法、転折法
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