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| 方便法 ほうべんほう ―― | |||||
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『クソババァに花束を!!』 (1) 鈴木由美子 |
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| ――『クソババァに花束を!!』1巻表紙 (鈴木由美子/講談社 コミックスキス) |
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《定義》 方便法は、ある言葉が「きれい」であることを際立たせるため、近くに「きたない」言葉を用いるというレトリックです。 つまり、ある対象が美しいことを強調するために、その近くにことさら醜い言葉を配置する表現法です。言いかたを変えると、その表現で伝えようとする対象の美しさを目立たせるために、意図的に醜いものを対比的に取り込む表現ということになります。 この「方便法」というレトリック用語は、『新文章講話』(五十嵐力/早稲田大学出版部)と、それを土台としている『日本語レトリックの体系』(中村明/岩波書店)の2冊でしか(今のところ)見かけないレトリックです。 ですが、『日本語レトリックの体系』を基本文献としているこのサイトでは、レトリックの1つとして項目を立てておきます。 なお、『新文章講話』と『日本語レトリックの体系』では、口をそろえたように、 行水の捨てどころなき虫の声 上島鬼貫を例文として引用しています。この俳句では、「虫の声」の美しさを強調するために、わざと「行水」という汚い言葉を配置していると説明できます。 《例文を見る》 引用は『クソババァに花束を!!』1巻の表紙です。 見てのとおり、「花束」の美しさを際立たせるために、わざと「クソババァ」という汚い言葉を配置しています。ですので、「方便法」と言うことができます。 『アルジャーノンに花束を』(ダニエル キイス)みたいな言葉ならば、「方便法」にはなりません。上で引用したのは「クソババァに」という侮辱的な言葉がついているから、「方便法」といえるのです。 いちおう、この本の紹介をしておきましょう。 主人公は「胡絽」という女の人(23歳)。彼女は赤ちゃんの時に、養護施設に捨てられた。けれども、現在の養父母に引き取られ、不自由のない生活を送っていた。 そこに。 実の母親である「エリナ」が登場。いままで養父母たちと暮らしていた家に、住むことになる。 だが、この実の母親「エリナ」がくせ者。 などなど、まさに、自分がこの家の主であるかのような言い方。「悪口雑言罵詈讒謗」の嵐です。「胡絽」には影で「クソババァ」と言われるようになる始末になります。 だが。 この「クソババァ」こと「エリナ」が、転んで鎖骨を骨折する。 そこから事態が変わってくるのですが、その先が気になる人は、本を買って読んでみて下さい。 なお。 「悪口雑言罵詈讒謗」というのは、一言で言えば「毒舌」のことです。「あっこうぞうごん」と「ばりざんぼう」という四字熟語をくっつけてみました。 《レトリックを深く知る》 【1.「対照法」との関係】 なお、この「方便法」などの、コントラストをつくるレトリックは、「対照法」にまとめてあります。そちらもご参照ください。 |
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| 関連項目→対照法、倒置反復法、交差配語法、同形節反復、対偶法・対置法、対句、逆対句、抑揚法 | |||||
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