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| 皮肉法 ひにくほう irony | ||||||||||||||||||||||
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| ――『フルーツバスケット』7巻24ページ (高屋奈月/白泉社 花とゆめCOMICS) |
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| 皮肉法は、相手を非難したり、けなしたりするために使うものです。あえて自分が考えている「非難するためのことば」とは正反対となる「ほめることば」をつかう。その結果として、相手を「攻撃することができる」というものです。 | |||||||||||||
| 「皮肉法」は、使われたことばのオモテだけをとらえれば「ほめことば」です。ですが実際には、非難をするために使われることになります。 | |||||||||||||
| 話している相手のことを、自分よりも下のヒトだとすることができます。 | |||||||||||||
| 話している相手に、皮肉とか嫌味をいったりすることができます。 | |||||||||||||
| 「皮肉法」を対象となっているヒトを、みんなでバカにするということができます。これは、1人が1人を攻撃するというのではなく、ある特定の1人のことを周りの全員がバカにするといったものです。 | |||||||||||||
| 「皮肉法」で攻撃してきたばあい、その皮肉にたいして反論するのは、かなり難しくなります。どうしてかいうと、「皮肉法」が2つのステップをもっているからです。表面上は、相手にたいして「ほめることば」を使っている。それなのに、実際は「けなす」という効果をもっている。つまり、「皮肉法」は一筋縄ではないのです。そのため、この「皮肉法」を聞いた相手が、これに真正面から反論するのは難しいことになります。 | |||||||||||||
| 「皮肉法」を使うことによる効果。そのメインとなるのは、たしかに「非難」「攻撃」です。けれども、モノゴトをすこし穏やかに伝えるということにも使うことができます。「忠告」だとか「いましめ」とかいったことを、相手に示すこともできます。 | |||||||||||||
| これは、「皮肉を言われた」ヒトではなくて、「皮肉を言った」ヒトについてのこと。うまいこと「皮肉」を言うことのできるヒトは、先を読んで話をしていることになる。なので「皮肉の使い手」は、気の利いた会話ができるヒトだといえます。 | |||||||||||||
| 「皮肉法」には、「しゃれた」ことばづかいであるとか、「ユーモア」のある言いまわしといったものも含めて考える立場もあります。その立場からいえば、あざやかで巧妙な話しぶりについても、「皮肉法」ということができます。(このサイトでは、そのようなものは「皮肉法」とはしていません。)、 | |||||||||||||
基本的には。つぎの4つをすべてそろえることによって、「皮肉法」を使うことができます。
ただし。この4つをそろえると「皮肉法」だとする説明は、1つの考えかたにすぎません。つまり、いくつかある「皮肉法」の考えかたのうちの1つでしかありません。 そういった込みいった事情をふくめた、「皮肉法」の定義について。くわしくは下のほうに書いておきました。 |
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| 「皮肉法」を使うときに、いちばん注意しなければならないこと。それは、非難しようとしている相手が「皮肉法」だと気がついてもらう必要がある、ということです。どういうことかというと、見せかけだけ「ほめている」はずなのに、相手が「ほんとうにほめている」ことばだと思ってしまう可能性があるということです。 | |||||||||||||
| 「皮肉法」は、かなり攻撃的なレトリックです。ですので、むやみに使うものではありません。たしかに、気の利いた軽い「皮肉法」というものもあります。ですが、たいていは相手に強いダメージをあたえるものです。 | |||||||||||||
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| 例文は、『フルーツバスケット』7巻。 草摩燈路が登場するシーンです。 じゃあねというところに注目してみましょう。 「つまらない」と言っているにもかかわらず、「どうも」というふうに、お礼をつけ加えている。これが「皮肉法」の例になります。本当は、ちっとも「ありがとう」なんて気持ちがないのに、反対に「どうも」と言う。まさに、本心とは反対のことを言っています。これを細かく分ければ「反語的讃辞」となります。 それはそうとして、この草摩燈路は、反語や皮肉を言うのがとっても得意。なもんで、この前後での草摩燈路のセリフにも、数多くの反語や皮肉がちりばめられています。それを、草摩燈路の登場シーンから順に並べていくと…
さらに続けると…
「じゃあね ものすごくつまらない時間をくれてありがとう」となります。さらに、さらに続けると…
もちろん、この中には「皮肉法」には当てはまらない表現もあります。ですが、少なくとも「トゲのある表現」がならんでいるのは確かです。 ですが、いずれにしても。 草摩燈路は、反語や皮肉を言うために生まれてきたようなキャラです。そういったキャラ性に敬意を表しまして、「皮肉法」のカテゴリのトップであるページの例文として、草摩燈路の登場シーンを使わせていただきました |
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使い方のところで書いたように。このサイトでは、つぎの4つをすべてそろえるたものを、「皮肉法」とします。という4つです。 なのですが。「皮肉法」というレトリック用語を、どのようなものに使うのか。つまり「皮肉法」の定義については、争いがあります。 この、「皮肉法」をどのように定義するかという問題。これは大きく分けて、3つのパターンがあると思います。ですので、その「3つのパターン」というを見ていくことにします。 まず、“いちばん広い意味”での「皮肉法」というものがあります。 この“いちばん広い意味”での「皮肉法」には、トゲをひそませた言いかたの全てを含めます。つまり「トゲのある表現」であれば、どういった表現であっても「皮肉法」に当てはまることになります。批判すること、けなすこと。そういったものがすべて、「皮肉法」となります。 ですがレトリック用語としては、この“いちばん広い意味”での「皮肉法」のことを「皮肉法」と定義することは、ほとんどありません。もちろん日ごろ使うことばとしての「皮肉」には、このような意味もあります。というよりも、ふつうはそのように使うものかもしれません。 けれども、そのような使いかたはレトリック用語としてはしません。 この“やや広い意味”で使う「皮肉法」というもの。これは、「ほんとうに伝えようとすることの逆をいうこと」と定義できます。 くわしくにいうと。 「ワザと自分が思っていることと、反対のことを言う」レトリック。そのことを、「皮肉法」とする場合があります。言いかえれば、実際のこととは逆のことを言いながら、それが逆であることが分かるような表現といえます。つまり、 といった「1.」から「3.」をそろえることで「皮肉法」となる。このようなものが、“やや広い意味”で定義したばあいの「皮肉法」となります。 この意味でもって、「皮肉法」というレトリック用語を定義することは、少なからずあります。こちらの説も、なかなか有力です。 この たとえば、 「彼は一番の悪友でね」というもの。この表現は、 たしかに、この もちろん、話しかたとしては、あり得るものです。ですが、このように「ほめるために」自分が思っているのと反対のことを口にするということは、あまりないのです。それは、別に遠回しにして表現しなくてもかまわないからといえます。 この、 という4つをそろえているもの。これが、このサイトで採用した「皮肉法」の定義です。 この、 このサイトで使うこととなった 「おりこうですね」といわれた子供は、おとなしくしてはいないものです。 そして、この例文を、上に書いた4つの条件にあてはめてみると。 という4つの条件を、満たしています。ですので、 |
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| 「反語法」というレトリックも、あります。そして、「反語法」と「皮肉法」とは似たようなものだと考えられています。 ですが、この「皮肉法」と「反語法」との区別をどのようにするかについては、定まっていません。昔から議論があって、現在でも確立していないのです。 この原因は、「皮肉法」をどのように「定義」するかが定まっていない、というところにあります。つまり、「皮肉法」の「定義」がバラバラだということに理由があります。 いままで書いてきたように、「皮肉法」をどのように「定義」するかという問題について、 そしてこのことが影響しては、「反語法」というレトリックの定義とも関わってくるのです。 ナゼかというと。「反語法」というレトリックは、「皮肉法」を重なり合うことのあるからです。そのため、「皮肉法」とは何かということを考えることが、「反語法」というレトリックがどういったものなのかを考えるときにも、影響してくるのです。 以上のことをまとめると、次のようになります。
具体的に、「皮肉法」と「反語法」との区別をどのようにするかに。これについては、参考書によってさまざまです。ただ、おおまかに言って、
このように、「反語法」と「皮肉法」との関係をどのように考えるかについては、十分に統一された考えかたがありません。そのため、私(サイト作成者)の頭の中でも、「皮肉法」と「反語法」との区別が、十分にできているわけではありません。まちがっていることに気がついたら、訂正していくことにします。 |
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| もしも。 その結果。この つまり、
しかも、これで枚挙をつくしたわけではないのだ。とのこと。「昔の修辞学者たちは、よくこんなに思いついたなあ」と思うくらい、いろいろ下位分類をならべることができます。 |
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| 「皮肉法」は、ワザと本心とは逆の表現をするものです。そして、そのようなレトリックは他にもあります。 第1に「虚言」。つまり、ウソをつくというレトリック。 第2に「緩叙法(一重否定)」。伝えたいことと反対のことを否定することで逆に、もともと伝えたかったことが強調するレトリック。 第3に「緩叙法(二重否定)」。否定することばを否定することによって、肯定をあらわすレトリック。 くわしいことについては、それぞれのページを参照してください。 なお。ここに「虚言」という「ウソをつく」レトリック用語が、ならんでいることからも分かるように。「皮肉法」は、一種の「ウソ」です。思っていることとは逆のことを話すということは、「ウソ」だということもできます。 ただし。「ウソ」は、バレると失敗ということになります。ですが「皮肉法」は、相手にバレないと失敗です。その点では、「皮肉法」は、たんなる「ウソ」とは違います。 |
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| なお。 この「皮肉法」の訳が、「アイロニー」となっている場合と、「イロニー」となっている場合があります。ですがこの違いは、元になっている言語に違いがあるだけです。 「アイロニー」のほうは、英語の発音を写したものです。それにたいして「イロニー」のほうは、フランス語とドイツ語の発音を写したものです。ただ、そういう違いがあるだけです。内容に違いがあるわけではありません。 |
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| もう、長くなってきたので。これ以上のことを書くのはやめておきます。 このサイトで書かなかったことのうち、いちばん問題となること。それは、「ことば通り」のことと「暗に示している内容」とが「正反対」ではないものを、どのように考えるかといったところだと思います。 なのですが。これを書きはじめると、 |
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| 皮肉法(皮肉)・反語法(反語)・イロニー・アイロニー | |||||
| 反用法(反用) | |||||
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| このサイトを肉づけのときに参考にしたのは、この本です。まあ広い意味では、「ネタ本」といえあす。でも、この本では「イロニーの定義」を7つあげているにもかかわらず、このサイトでの「定義」には4つしか使っていない。書き手がいちばんイヤがる、「つまみ食い」した参考のしかたで引用させていただいきました。こちらは、もっと「皮肉法」を知りたいというヒトにも、オススメできます。というよりも、もっと「皮肉法」を知りたいというヒトが読むべき本です。 | |||
| この本は、タイトルどおり「事典」と呼ぶには、かなりクセがあります。つまり、「平均的な考えかた」「一般的な考えかた」が書いてあるわけではないのです。「反語」の項目では、「けなすため」に使うというのでもなく、反対に「ほめるため」というのでもない。「ユーモラス」な効果を出すために用いることができる、ということに話がおよんでいたりします。 | |||
| こちらの本も、「辞典」というわりには、書いた人の意見について多くのスペースを使っている。けれども、『レトリック事典』よりは、スタンダードなところに説明が行きわたっていると感じます。 | |||
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| これまでにあった、古くからの「アイロニー」(皮肉法)についての考えかた。その考えかたにたいして、真正面から異論をとなえる本です。そういうなので、昔からある「アイロニー」(皮肉法)の考えかたを知らないと、読むこなすのは難しいと思います。 | |||
| この本は、ホントに難しくて困った。難しすぎて、まともな本の紹介が書けない。 | |||
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