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同形節反復 どうけいせつはんぷく isocoron, parison
――『神童』2巻10ページ(さそうあきら/双葉社 ACTION COMICS)
丸目 君のクセは
100%ボクの中に
インプットされているんだよ
成瀬うた」
フォークの時は
前腕屈筋の動きでわかる

(ぴく)
けん制の時は
おしりの筋肉の
動きでわかる

(ぴくっ)
――『神童』2巻10ページ
(さそうあきら/双葉社 ACTION COMICS)

 《定義》

同形節反復とは、同じ長さの言葉が、くり返されるレトリックです。
つまり、決まった長さの句がいくつか連続するものです。



 《例文を見る》

引用は、『神童』2巻から。

あまり典型的な「等長句反復」ではありません。ですが、とりあえず『神童』2巻のこの部分を、「同形節反復」としておきます。

主人公は成瀬うた。彼女は天才的なピアニスト。しゃべる前からピアノを弾いていたという。

そんなわけで、そのピアノを弾く音色には、すばらしいものがある。その音色の描写も、ただ単に「擬音語」を使ったりすることをしないで、きれいな描写がされている。この『神童』という作品の真骨頂は、そういった音の描写にある。

と書くと、上に引用したのと全然違うじゃないか、と思われるかもしれません。ですが、天才的なピアニストの成瀬うたは、野球が趣味なのです。
彼女のポジションは、ピッチャー。そのピアノで鍛えた指先のコントロールで、変化球のキレは抜群。で、将来の夢は「野球選手」。

そんなわけで引用したのは、野球をしている場面。

対戦相手の「丸目」が、「君のクセは100%インプットされている」と言ったあとの言葉。
フォークの時は
前腕屈筋の動きでわかる

(ぴく)
けん制の時は
おしりの筋肉の
動きでわかる

(ぴくっ)
が、いちおう「同形節反復」と言えなくもない。かなり無理があるけど、とりあえず、この引用で「同形節反復」としておきます。

数えてみると、24音づつの文が連続している。しかも文の最後が、「~の動きでわかる」という言葉で統一されている。
ですので、「同形節反復」です。

あまり核心的なところからの引用ではないので申しわけないです。けれども、とりあえず上に引用したものを掲載しておきます。


 【1.おまけ】

ちなみに。
『神童』2巻の34ページで成瀬うたの母親が叫んでいる
main gauche
という言葉。これは、「左手」という意味のフランス語で、音楽用語です。えっ、知っているって? 私は知らなかった。大学の第二外国語の履修はドイツ語だったし。



 《レトリックを深く知る》


 【1.「対句」との関係】

「同形節反復」は多くのばあい、くり返されている内容が「対」をなしている場合を言います。その点で、「対句」に近いものです。

ですが「対句」は、対になっているのが2つの節であるものだけを指します。ですが「同形節反復」の場合には、対であるという限定はありません。2つ以上の言葉が何度もくり返されていれば、「同形節反復」と言えます。そのことから分けて考えることができます。


 【2.「等長句」との関係】

また。
この「同形節反復」とほぼ同じレトリックとして、「等長句」というものがあります。しかし、
  • 「同形節反復」は、同じ長さになっているものが文法的に共通している点に着目したもの
  • 「等長句」は、同じに長さのものがくり返されているという点に着目したもの
という違いがあるだけです。注目している点が異なっている、ということに過ぎません。実質的には同じことを指しているといっていいと思われます。


 【3.そのた】

「同形節反復」は、「平行体」というレトリックに近いものです。そしてなかには、「同形節反復」と「平行体」とを同じものとする考え方もあります。

なお、この「同形節反復」などのコントラストをつくるレトリックは、「対照法」にまとめてあります。そちらもご参照下さい。
関連項目→対照法倒置反復法交差配語法平行体、対偶法・対置法、対句逆対句方便法、抑揚法
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