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| 緩叙法(広義の) かんじょほう litotes | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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| ――『闇の末裔』3巻60ページ (松下容子/白泉社 花とゆめCOMICS) |
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《定義》 緩叙法は、見せかけだけ、弱めた表現するレトリックです。 たしかに、表面上は「ひかえめ」なカタチをとっている。でも、それは見せかけだけのもの。本心は、大げさな表現よりかえって強調を狙っている。そういったレトリックです。つまり、少なく言うことによって、反対に、その隠している本質を強めることになります。 これをまとめると、「緩叙法」は、」
まあ。 ほんとうのところ「緩叙法」の定義は、レトリック研究家によって一致していません。 このあたりの事情については、下のほうに書いておきました。時間に余裕のある方は、読んでみてください。 《例文を見る》 で、例文は『闇の末裔』3巻から。 主人公は、「都筑」。 「都筑」は、十王庁の中の閻魔庁で「死神」の仕事をしている。この世界では、死んだ人は十王庁へ送られることになっている。 しかし最近、香港で「死んだはずの人が十王庁に来ないで行方不明になる」という事態が起こっている。そこで、「死神」である都筑が原因究明のために動き出した。 どうも「華京院グループの豪華客船が怪しい」ということで、都筑はその客船に乗りこんだ。そこで、邑輝という男と再会する。その邑輝と都筑とのあいだの会話が引用のシーン(59~60ページ)。長い引用になってしまいましたが、ポイントは、 あーんなことやという部分。「あーんなこと」とか「こーんなこと」とか「とても商業誌では見せられないような辱め」とかが、具体的には何を意味しているのかは言ってはいません。ですが、この言葉がなにを意味するのかは、言うまでもないことです。まあ要するに、邑輝が都筑を狙っているわけです。 確かに、邑輝は具体的なことは言っていません。けれども遠回しに言うことによって、かえって強調の効果が出ています。ですのでこれは「緩叙法」に分類されます。 付け加えると。「言うまでもないこと」として言い逃れをするために、引用が長くなったともいえます。私(サイト作成者)は、「公然わいせつ」(刑法174条)や「わいせつ物頒布等」(刑法175条)で逮捕されたくはありません。ですので、作者にならって私も、具体的なことは書かないでおきます。 なお、細かい分類をしておけば、 と思います。 《レトリックを深く知る》 【1.「緩叙法」の定義についての大論争】 上にも少し書きましたが。 ほんとうのところ「緩叙法」の定義は、レトリック研究家によって一致していません。「婉曲語法」やら「過小誇張法」やらを巻きこんで、なにやら大論争になっております。 そういった困った状況なのですが。このサイトでは、つぎのように定義しておきます。 つまり、 という2つの性質を持っているものを、「緩叙法」としておきます。 【2.「緩叙法」と「婉曲語法」との区別】 そういったわけで。 「緩叙法」は、「婉曲語法」と形の上では同じものになってしまいます。「緩叙法」と「婉曲語法」はどちらも、表現それじたいは現実よりも「弱く」「小さく」示されているからです。 しかし、そのことばによって伝えようとしていることは、まったく逆です。「緩叙法」は、ほんとうは強調をねらったものです。しかし「婉曲語法」は、ことばどおりに弱くすることを意図したものです。このように「緩叙法」と「婉曲語法」は、送ろうとしているメッセージが正反対なのです。 ですので読み手(聞き手)は、それが「緩叙法」なのか、それとも「婉曲語法」なのか、それをしっかりと見極める必要があります。 【3.「緩叙法(広義の)」の下位分類】 このサイトでは、「緩叙法(広義の)」を、次のように分類しました。この分類は、『レトリックの知―意味のアルケオロジーを求めて―』(瀬戸賢一/新曜社)によるものです。 ○否定を用いるもの …これに「曲言法」と名づける見解もあるくわしくは、それぞれの項目を参照して下さい。 《駄文》 ここから下は、サイト作成者としての「ひとりごと」。 引用したページで邑輝が言った言葉に、 「体とか。」というものがあります。私が目を引かれたのは、その言葉の意味するところではありません。マンガのふき出しで「。」という句点が使われている点に、コミックスを読んだ当時には意外性を感じました。 ふつう、マンガのふき出しには「。」という句点を使われませんでした。松下容子先生は、たまにふき出しで「。」という句点を使うことがありますが、他の作者のマンガには、「。」という句点が使われることは滅多にありませんでした。 ただし原則的に、出版社が「小学館」のものに限っては、「、」「。」が使われていますけれども。 まあというわけで、マンガのふき出しで「。」が使われることは、すごく少なかったのです。 ですが。 今や、多くのコミックスで「。」(句点)を見かけるようになりました。こういったことを書くようになると、「私も歳をとったなあ」と実感するわけなのですが。 以上、サイト作成者の「ひとりごと」でした。 |
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| 関連項目→緩叙法(一重否定)、緩叙法(二重否定)、緩叙法(選択)、緩叙法(付加)、指小辞、古語法 |
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