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| 転喩 てんゆ metalepsis | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| ――『げんしけん』2巻57ページ (木尾士目/講談社 アフタヌーンKC) |
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《定義》 転喩とは、ある物事を直接に言うかわりに、それに先行または後続することを言うレトリックです。 言いかえれば、ある物事について、
たとえば「袖をぬらす」という表現をすることで、「涙を流す」ことを示すばあい。 涙を流した結果として、「袖をぬらす」ことになる。そのため、「袖をぬらす」という後続する表現によって、「涙を流す」という先行する場面を意味することになります。これが「転喩」です。 このことから、この「転喩」というレトリックは「換喩」の一種であるといえます。さらには、「転喩」は「換喩」の中に含まれるとして「転喩」という項目を立てないこともあります。 《例文を見る》 で、引用は『げんしけん』2巻から。 作品の舞台は、大学のサークルのひとつとして活動している「現代視覚文化研究会」こと「現視研(げんしけん)」。 主人公は笹原完士。…なのですが、引用した場面にはちょっと関わっていないので、その説明は省略。 この引用した部分で知っておかなければならないのは「春日部咲」についてなので、そっちを説明していきます。 春日部咲は、めでたく大学に入学。その時、子供時代に近所に住んでいた「高坂」と偶然に出会い、恋人関係になっていく。高坂はルックスもなかなかいいし性格もやさしい。ニックネームは「コーサカ」。なんか名字そのままのような気がするが、とにかく、以下「コーサカ」と呼んでいくことにします。 それはいいとして、その恋人関係には大きな落とし穴があった。 コーサカは「オタク」だったのだ。 そしてコーサカは、「現視研(げんしけん)」に入会する。このサークルは、「アニメ」「マンガ」「コスプレ」「ゲーム」「同人誌」…(以下略)を総合的に楽しんでいるという、まさに「オタク」のためのサークル。そして、まったく「オタク」とは縁のないはずの春日部も、コーサカに連れられて「現視研(げんしけん)」に一緒に来るようになっていく。 しかし春日部は、「現視研(げんしけん)」には、絶対に入会しないと強く言い続けていた。「オタク的活動」は自分と縁のないものなのだから、「現視研(げんしけん)」とは関係ないと主張していた。 そんな中で、「現視研(げんしけん)」の会長に入会を誘われているのが、引用の場面。右に書いてある文章のほうは54ページから引用をはじめていますが、すべて画像をアップすると異様なほど大きなサイズになるので、画像の引用は57ページのみ。 それで、 もし僕がという会長の発言が、「転喩」にあたります。これは、結果のほうだけが書かれていて、原因のほうは書かれていません。結果のほうは「とっくに大学に居られなくなる」というものですが、その原因については直接には書かれていません。ですので「転喩」にあたります。 しかし、会長の「転喩」での言葉の効果は絶大でした。あれほどまでに、かたくなに入会を拒否してきた春日部が、みずから「入部します」と言いました。 ですが、「現視研(げんしけん)」の部屋の中で、春日部とコーサカは何をしていたのでしょうか。それは、はっきりとは分かりません。ですが、「現視研(げんしけん)」メンバーの斑目の分析によれば、 と言っています。このあたりから、読み手は想像するよりほかないみたいです。 なお。 アニメの「げんしけん」の各話のタイトルについて、「迂言法」で少し書いてあります。そちらのほうもご参照ください。 《レトリックを深く知る》 【1.「転喩」と「婉曲語法」との関係】 この「転喩」は、直接には言わずに、わざわざ先行していたり後続していたりすること言っていることになります。ですので、「婉曲語法」とも強く関連します。 たとえば、「お手洗い」という建物。そこでは、手を洗うことがメインではありません。手を洗うのは、あくまで「後続」することをあらわしているにすぎないわけです。 どんな「婉曲語法」も、「転喩」にしたがった表現をとるわけではありません。ですが、「転喩」によって表現をしている「婉曲語法」もあります。 【2.「転喩」と「転移修飾語」との用語としての区別】 また、「転移修飾語(transferred epithet)」のことを「転喩」と呼ぶことがあります。ですがこのサイトでは、上に書いたようなものを「転喩」とします。“transferred epithet”については「転移修飾語」という項目で扱うこととします。 |
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| 関連項目→換喩、転移修飾語、婉曲語法、迂言法、稀薄法、代称・ケニング、遠曲語法、抑言法、美化法、含意法 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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