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宣誓・誓言 せんせい・せいげん oath
――『美少女戦士セーラームーン』1巻67ページ(武内直子/講談社コミックスなかよし) 愛と正義の戦士
セーラームーン参上!!

――月にかわって
   おしおきよ!

――『美少女戦士セーラームーン』1巻67ページ
(武内直子/講談社 コミックスなかよし)

 《定義》

宣誓・誓言は、「神や仏のようなものに宣誓する」というカタチを借りるというレトリックです。

ここで大事なのは、「カタチを借りる」ということです。どういうことかというと、そのシーンや状況での「誓い」というのは、あくまで「そのような形式をとる」だけにすぎないということです。

つまり、「~に誓います」ということば自体が何回も使われた。その結果として、たしかに表面上では「誓っている」という言いかたをする。だけれども実際には、ことばが示す「誓っている」という言葉がもっている本来の意味が薄くなった。そんなわけで最終的には、ことば全体として強調をするニュアンスを加えるはたらきしかなくなってしまった。言いかえれば、「たしかに」とか「まちがいなく」とかいった働きをしているにすぎないくなった。――と、これが「宣誓・宣言」というものです。



 《例文を見る》

例文は、『美少女戦士セーラームーン』1巻から。

名文句の「月にかわっておしおきよ」を引用してみました。なんでこれを引用したかというと、ここの「月にかわって」っていうのは、あんまり、それ自体に内容のあるセリフではないからです。

まあ、セーラームーンは「ムーン」の使者なんなんだから、「月にかわって」なのかもしれません。けれども、それよりもむしろ「たしかに」とか「まちがいなく」っていう、決めゼリフで使われる強調のニュアンスが強いものだと考えられます。

その意味で、「宣誓・誓言」のカテゴリーに入れてみました。



 《レトリックを深く知る》


 【1.「宣誓・宣言」に近いレトリック】

このページで取りあげている、「宣誓・宣言」というレトリック。これには、近いかんじのするレトリックが、いくつかあります。なので、そのあたりを紹介しておくことにします。
宣誓・宣言 (oath) ―― 神聖なものに誓う、というカタチをとるもの。ただし「誓う」という言葉は使ってはいるものの、実際には、その誓ったことばを強調するというニュアンスが与えられる程度。(*1)
宣言 (swearing) ―― もともとは、「神に誓う」という本来の目的があった。だけれども時代とともに、「みだりに神の名を口にすることになる。なので、神聖をけがす言葉づかいだ」という意味を持った。このため「宣言」という単語が、使った相手を非難する言葉を示すことになった。さらに、現代では「悪口を言うこと」「ののしること」ということも表すようになった。(*2)
願望 (optation) ―― これは、自分が望んでいるモノゴトを、感嘆を使って表現すること。これは、願望する相手が「神や仏」に限らないという特徴である。(*3)
祈願・懇願・嘆願 (obsecration) ―― 苦しいときに、神などの神聖なものに祈ること。日本人が正月に「神社仏閣」に行って(心の中で)祈るということ。それは、このレトリック用語がピッタリすると思う。(*4)
「祈り」のパターンを、4つに分けてみたのですが。こんなに、いろいろと分類することに意味があるのかはナゾです。

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注(*1) 『日本語の文体・レトリック辞典』、『日本語レトリックの体系』、『レトリックの本(別冊宝島 25)』(石井慎二[編]/JICC出版局) 』、ほか
(*2) 『現代英語学辞典』(石橋幸太郎[編集代表]、勇康雄・宇賀治正朋・勝又永朗・鳥居次好・山川喜久男・渡辺藤一[編集]/成美堂)、ほか
(*3) 『レトリック事典』、ほか
(*4) 『文学修辞学―文学作品のレトリック分析―』(H.ラウスベルク[著]、萬澤正美[訳]/東京都立大学出版会)、『レトリック事典』、ほか
関連項目→虚辞枕詞序詞、むだ口
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