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地口 じぐち paronomasia
――『花より男子(だんご)』1巻表紙(神尾葉子/集英社 マーガレットコミックス) 『花より男子(だんご)』 (1)
神尾葉子
――『花より男子(だんご)』1巻表紙
(神尾葉子/集英社 マーガレットコミックス)

 《定義》

地口は、「ことわざ」などのパロディです。
つまり、「成句」に分類される「慣用句」や「格言」などを、音のひびきだけが似ていて意味が全くの違った言葉に置きかえるものです。言いかえれば、よく知られている「慣用句」や「格言」などの「音」だけをマネして、その「音」に似た別の言葉をあてます。それによって、もともとの「慣用句」や「格言」とはまったくちがった、別の意味をもたせることになります。

例えば、「舌切り雀」という言葉の「音」だけを流用して、「着たきり雀」とするようなばあいが、この「地口」にあたります。



 《例文を見る》

引用は『花より男子(だんご)』1巻の表紙です。

あたりまえのことですが、このタイトルは「花より団子」ということわざをパロディ化したものです。わざわざ「男子」という単語に「だんご」というフリガナをつけていることからも、ことわざのパロディであるということを意識したタイトルになっていると思われます。

実は、この『花より男子(だんご)』を「地口」の例として挙げるのは、私の専売特許ではありません。『レトリック辞典』という堅苦しそうなレトリックの教則書でも、この「花より男子(だんご)」を「地口」の例として挙げています。

私が、マンガで使われている「レトリック」を集めてみようという気になったのも、ひとつには、『レトリック辞典』が「花より男子(だんご)」を「地口」の例として挙げていたことがあります。



 《レトリックを深く知る》


 【1.「地口」と他のレトリック】

「地口」は、意味がまったく違うのにもかからわず、音だけが似ているということになります。ですので、「しゃれ」の仲間ということができます。

また、「慣用句」や「名言」といったものは、「地口」になるばかりではありません。
時によっては、「地口」のほか「パロディ」や「引喩」「成句」によって変えられることよくあります。

 【2.「地口」の歴史】

また、この「地口」のように、「格言」などを「もじって」おもしろおかしくするといったことは、江戸時代の昔から数多く行われています。

『ことば遊び(中公新書418)』(鈴木棠三/中央公論社)によれば、最も古いものは享保年間(1716~)に見つけることができるとしています。

特に、百人一首のような良く知られている和歌は、多くがこの「地口」の対象になっています。
関連項目→同時的音喩ことば遊び重義法、秀句法、雙叙法、しゃれ、駄洒落、打ち返し語路合わせ早口ことばなぞかけ文字鎖・しりとりダブルミーニング
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