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| 冷嘲法 れいちょうほう sarcasm | ||||||||||||||||||||||
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| ――『殲鬼戦記ももたま』1巻34~35ージ (黒乃奈々絵/マッグガーデン BLADE COMICS) |
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《定義》 冷嘲法は、正面から相手をなじるレトリックです。 つまり、包みかくすことなく、まっ正面から強いことばで攻撃するものです。 「冷嘲法」を使う目的は、もちろん、相手がもっている弱点に対して非難とか軽べつをするといったものです。 《例文を見る》 引用は、『殲鬼戦記ももたま』1巻から。 作品の舞台は、桃源島。 この「桃源島」という島には、とある伝説があります。それは、〈桃太郎〉は実在のヒトで、鬼退治をした〈桃太郎〉が退治したことによって国から褒美としてもらった。それが、「桃源島」というところ。そして、それ以来は代々〈桃太郎〉の子孫が、「桃源島」を支配している。とまあ、そういったような話が語りつがれています。 なので。現在「桃源島」を統治しているヒトも、みんなから〈桃太郎〉の子孫だと思われています。 そして。かたや主人公の、陸奥九世。 陸奥九世の生まれた陸奥家には、これまた伝説があります。その伝説がそんなものかというと、陸奥家は、〈桃太郎〉に「鬼退治」された〈鬼〉の家系。そして「桃源島」は、もともと〈鬼〉だった陸奥家の領地だった。そまあ、そんな昔話があった。そして陸奥九世は、〈桃太郎〉に奪われた「桃源島」を、〈鬼〉の領地として取りもどそうと思っています。 そういったわけで、陸奥九世は。「桃源島」へと向かう「桃源丸」という船にコッソリ乗り込んで、「桃源島」にたどり着きます。 さいごに、香椎守。 香椎守は、「桃源丸」をふつうの旅客フェリーだと思っていた。でも「桃源丸」は、「桃源島」へと向かう船だった。そのためワケも分からず、いきなり「桃源島」に連れてこられる。そして、香椎守には「殲鬼師」となる素質があると告げられる。この「殲鬼師」というのは、「桃源島」を〈鬼〉から守るための能力のこと。 かくして。香椎守は、「殲鬼師」を育てるための学校に入ることになります。なお、この学校は「桃源島」に建てられています。そして、この入学については拒否権や選択権はない。つまり香椎守は、かってに「桃源島」に連れてこられた上で、かってに「殲鬼師」を養成する学校に投げ込まれることになったわけです。 …とまあ。かなり省略したところがありますが、カンベンして下さい。なにせ『殲鬼戦記ももたま』には、たくさんの伏線が張られたり、舞台設定が複雑だったり…。そんなわけで、このくらいにしておきます。 それで。やっとのことで、「冷嘲法」というレトリック用語の説明に入ります。 香椎守は陸奥九世のために、バケツに水をくんで持ってきた。でも陸奥九世は、ひとりで「アイランド・リゾート」を満喫しているだけ。なので香椎守は、バケツにの水を陸奥九世に浴びせかける。だが陸奥九世は、香椎守のほうを見向きもしない。 そして、陸奥九世のコメント。 俺の視界に無能とこのコメントは、「冷嘲法」というレトリック用語にピッタリです。正面切って、相手を攻撃するという言葉づかいをしています。
なお、引用したこのシーンには。 ほかにも、さまざまなレトリックが入りまじっています。ですが、このページでは「冷嘲法」というレトリックに関係するところだけを書いておくことにします。 《レトリックを深く知る》 【1.「冷嘲法」についての、2つの考えかた】 この「冷嘲法」には、2つの考えかたがあります。 (A):1つは、「トゲのある」表現であればよいとするものです。つまり、強い非難や中傷をしていれさえすれば、それで「冷嘲法」といえるという考えかたです。 (B):もう1つは、「本心とは反対に」言っていなければいけないとするものです。つまり、相手を強く非難や中傷するつもりでいる。だが、自分の思っていることを正面からは口にしない。それでいて実際には、相手を強く非難や中傷することを伝える。「冷嘲法」とはそういうものだという考えかたです。 この2つがあるのですが。 このサイトでは、(A)上のほうを「冷嘲法」としています。つまり、むしろ正面からの攻撃を「冷嘲法」と考えています。 これは、このサイトでの「皮肉法」の考えかたに原因があります。というのも、このサイトでは「皮肉法」について、次のように定義しました。つまり、
そのため、もし「冷嘲法」について(B)下に書いたほうの定義を採用してしまうと、「皮肉法」と同じものになってしまいます。ですので、(B)下に書いたほうのものは受け入れられないのです。 以上の理由から、(A)上のほうを「冷嘲法」としています。 【2.「冷嘲法」は、なかなか見あたらない】 このように。「冷嘲法」についての2つの考えかたの中で、(A)のほうを「冷嘲法」だと考えたばあい。 結果として「冷嘲法」にあてはまる例が、かなり少なくなります。 これは、ナゼかというと。まっ正面から相手を非難するよりも、もってまわったような言いまわしのほうが「相手に与えるダメージが大きい」からです。つまり、ふつうに正面から攻撃するよりも、「皮肉法」のような「回りくどさ」があるほうが、ヒトを強く傷つけることができるからです。
そういった関係で、「冷嘲法」の例は少ないのですが。 もうひとつの例文として、『ブッキングライフ』1巻から。 主人公は、葛見健太郎。22歳。 葛見は、新しく「臓器移植コーディネーター」という仕事につく。 そして、葛見が引用している場面で話している相手は、先輩にあたる「如月」という女性。 で。 このシーンで問題となっているのは。「臓器移植コーディネーター」という職業についての、倫理性についてです。 どうしてかというと。、 「臓器コーディネーター」というのは、 提供された臓器をからです。 そして、ある時。 「臓器移植コーディネーター」としての仕事のなかで。「葛見」と「如月」は、臓器を渡すことができる人(ドナー)があらわれたれたことを知った。 で。その時に「如月」が口にしたことばが、引用の部分です。 この世でこれは、どういうことかというと。 臓器提供者があらわれた。それは、たしかに1人の「助かる命」が生まれたということです。でもそれと同時に、ひとつの「脳死となったドナーの命」があるからです。 そういった葛藤があるからこそ。このシーンでは、はなし相手を強く攻撃する「冷嘲法」というレトリックが使われた。そのように言うことができます。 このように「冷嘲法」は、かなり攻撃的なメッセージを相手に投げかけるものです。 |
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| 関連項目→皮肉法、偽悪的讃辞、反語的緩和、反語的期待、反語的否認、揚げ足取り、修辞的疑問、愚弄的皮肉、嘲笑的あてこすり、愚弄、嘲弄、迂言法、虚言、諷刺 | ||||||||||||||||||||||
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