ステレオの産業

時代がどう進化しようと、時代をさかのぼり、
一度は立ち止まってじっくりと見直してみたいものがある。
一人の芥川賞作家をも虜にしたステレオの魅力もその一つだと思う。
日本では戦後復興の鎚音に代わり、ラジオ放送とレコード音楽が時の先端技術によって
人々の心に響き始め、輸出振興を支える期待の産業として栄華を極めた・・・・。
それも次第に過去のものになりつつある。けれど「過去のもの」として
片づけてしまうにはあまりにも惜しい。歴史の断片と重ね合わせながら、
ステレオの産業史と内外の名作のつくられた時代を探訪してみよう。
2011年 7月7日 




歴史の断片(毎日更新)
172年前の今日(邦暦)・天保15年/1844

幕政批判で捕らえられた
蘭学者、決死の逃亡。

 その蘭学者の名は高野長英。シーボルトが長崎に設けた私塾の門下生で、医学と兵法の学問を修めると、江戸に出て町医を開き、碩学の開明派としても当代一の評価を得ていたのである。
 それが、幕府の言論弾圧(蛮社の獄)によって生活は一変。永牢(終身刑)の刑を下されて投獄の身となった。
 ことの発端は、7年前のこと。日本の漁師を救助したアメリカ商船のモリソン号が浦賀沖に近づくと、浦賀奉行は、それを砲撃して撃退した。
 高野長英は、この幕府の外交政策を批判した廉で捕らえられたのである。
 江戸伝馬町牢獄の罪人の扱いは酷いものであった。牢内は異臭が立ち込め、病に斃れて逝くものが後を絶たない。それでも、医者の腕を高く買われた長英は、牢名主の待遇を受けていた。
 かといって、牢からは一生出られない。長英は、懇意の雑役牢番に火付けを頼み込み、一か八かの行動に出たのである。
 そして、この日深夜、牢獄の一角から火の手が上がった。火が迫る中、罪人の解き放ちが行われ、3日以内に必ず戻ることが厳命された。戻らなければ、どんな軽い罪でも死罪になるのである。
 ここに、長英の逃亡が始まった。火薬で顔を焼いて面相を変え、偽名を使い、支持者の元を転々としながら、
蘭学書の翻訳で糧を得た。それ
から数年、江戸に戻ると正体が
割れ、自ら命を絶ったのである。
(H)


この日には、こんな出来事も・・・

■1908/明治41年
シベリアに巨大隕石落下、
破壊力は水爆に匹敵。

 本格的な調査が行われたのは、ロシア革命から10年後のこと。それによって、隕石の落下したシベリア中央のツングースカの森林には、そのすさまじい痕跡が発見され、また、多くの目撃証言も得られたのである。
 さらに、その後の調査によると、その破壊力は10~15メガトン。広島型原爆の700~1000倍の威力に相当することが分かった。

■1945/昭和20年
秋田県の花岡鉱山で、
強制徴用の中国人が蜂起。

 徹底抗戦を御前会議で決定した政府。しかし、戦争遂行には鉱山労働者が圧倒的に不足していた。
 それだけに、強制徴用された中国人労働者のノルマは過酷を極めた。
 この日夕刻、我慢に耐えかねた約800人の中国人が蜂起し、日本人の労務管理者4人を殺害して逃走。しかし、憲兵隊や警防団によって捉えられると、自白や密告を強要する拷問で次々と惨死。犠牲者は419人にも及んだのである。


1881~1945:立体音の発見と二つの源流(蓄音機&トーキー) 
1946~1957:日本の戦後復興とHi-Fiへの熱き試み
1958~1965:幕を開けたステレオの時代 
1966~1970:開花する日本の独創技術
1971~1980:4ch騒動と成熟の頂きに立ったコンポーネント
1981〜1990:AV時代の到来とCDの登場

基本を変えずに進化を続けた
デュアル・コンセントリック・ユニット。















音の技術者たちが
良き仕事として残した名作たち
*国内ブランド
AUDIO TECHNICA / CORAL / DENON / DIATONE
EROICA & UESUGI / FOSTEX / GRACE / LIVING AUDIO / LO-D
LUX
/ ONKYO / PIONEER & EXCLUSIVE / SANSUI / SONY / STAX
TECHNICS / TRIO & KENWOOD / VICTOR / YAMAHA
*海外ブランド
ALTEC / AR / GOODMANS / JBL / JORDAN WATTS
MARANTZ / McINTOSH / ORTOFON / SME / TANNOY
*アンサンブルステレオとセパレートステレオ
知っている人には懐かしく、知らない人には新しい・・・

































無類の剣豪作家にして音楽再生の奥義を極めた
 五味康祐氏の名著に浸る

五味康祐氏のコレクションを所蔵する
 練馬区文化振興協会

音への無垢なる探求を美意識とした
 評論家 瀬川冬樹氏が解き明かす
 オーディオの妙味。


NHK放送博物館
松下電器(パナソニック)創業者
 松下幸之助 物語

東芝一号機ものがたり
ソニー歴史資料館
映写室ミュージアム
 スクリーンに映し出される
 映像と音響のマジック
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参考文献 /「ステレオの産業史」は、下記の資料を参考にしています。
*ウィキペディア・フリー百科事典 *季刊ステレオサウンドNO.2、NO.3、NO.5、NO.6、NO.9、NO.12、NO.16、NO.41、NO.47、NO.60 *別冊:魅力のフルレンジスピーカーとその選び方と使い方 *別冊:世界のツイーター55機種の試聴とその選び方使い方 *別冊:世界のオーディオ
*別冊:THE BRITISH SOUND *西方の音(五味康祐・新潮社) *五味康祐オーディオ巡礼(ステレオサウンド社) *虚構世界の狩人(瀬川冬樹・共同通信社) *オーディオの彷徨・岩崎千明遺稿集(ステレオサウンド社) *男の自由時間:真空管アンプ作りに挑戦(技術評論社) *ソニーの大逆襲に松下電器があせる理由(小林紀興・光文社) *パイオニアLD戦略会議室(本多晋助・日本文芸社) *カラヤンとデジタル(森芳久・ワック出版部) *昭和史全記録(毎日新聞社)