契約者退職金制度についての、組合の考え方と今後の対応

組合の対応の方法論は2つ。自主交渉・自主解決の道か、裁判による決着だ。これまでの意思統一は、全東映を含む3者による自主交渉・自主解決を目指し、最悪の場合、裁判に訴えることを考えて交渉を進めることにあった。この方針に沿い、これまでの交渉は一貫して「社員との均等待遇、同一価値労働・同一賃金」の原則を主張し、自主交渉・自主解決を目指してきた。

一年を経過する中で、会社の考え方や、回答の大掴みな内容が明らかになった。現在会社は、オーバーギャラグループの契約金分解方法や出来高グループへの残業を如何にしたら払わないで済むかを苦慮している。現状のまま会社に回答を出させては、本給と手当て・オーバーギャラグループと出来高グループの矛盾の拡大・低額の退職金支給総額など、新たな問題と格差・差別を固定化する案が予想される。

社員化を想定した組合の試算でも明らかなように、退職金制度のスタートが遅れれば遅れるほど、恩恵を被る人が少なくなってくる。裁判闘争になっても同じことがいえる。

01年の「議事録確認」では、04年スタートとなっていたが、すでに054月制度実施と会社の回答は1年スタートが遅れている。

一日も早い制度確立と、会社が固執することになる、不合理で新たな格差・差別が想定される案を出させないために、このまま会社回答を待つのではなく、ここで改めて組合案を提出し、それをもとに会社に再検討させることが望ましい状況だと考える。

新たに整理すべき組合案の考え方のポイントは、まず、本来われわれの要求実現の目的は「契約者」の退職金制度確立にあった点を再確認することである。交渉の過程で、専属料を本給と手当てにどのように分解すべきか、あるいは社員化要求や労基法適用などに焦点が集まり、本来の目的がぶれてきた感がある。これは、会社の「契約社員」や「労基法部分適用」の回答も大きく作用しているが、もう一度、本来の要求の主要課題を確認することである。つまり、今回の交渉で、契約者が抱える全ての格差を解消しようとするのではなく、できる限り社員に近い退職金額になる、制度を作らせることに目的を絞ろうということだ。

専属料を本給給と手当てに分解するなど複雑にしないで、単純に専属料を退職金の基礎にする。時間外の基礎は専属料の70%とかX%を基礎にし、社員との整合性を図ればいい。

契約者の労働者性や基準法適用は、今回の交渉で正面から争わず、含み残業時間の削除や時間外割増しの25分増し、年休、リフレッシュ休暇、育児・介護時短を実質確保していくことを重視する。

退職金要求スタイルの参考は、専属契約者の「新退職金要求」だ。専属契約者の出している動画独自退職金要求は、社員少なくとも三分の二支給されるべき、という考えに基づいている。支給総額が約三分の二になる規定を作れば、全体の納得も得られると考える。

新要求は従来の社員型計算方式から、会社との議論がかみ合うように、ぎりぎり最低限の要求とする。われわれも妥協するが、会社にも妥協を迫る案を作成することを、組合全体で確認していく。

●出来高グループは、ある指数をかけて、オーバーギャラグループの同年齢・同勤続の者と整合性を図る。

●時間外単価の基礎は、含み残業時間をなくし25分増しができる専属料の70%とかX%で、社員との整合性を図る。

●矛盾はあっても、就業規則を作らせ、不払い残業をなくすことや、割増賃金・年休・リフレッシュ休暇・介護、看護、育児休暇などを実質で確保していく。


ぎりぎりの要求で合意できない場合、本格的に裁判闘争に打って出る

裁判闘争になった場合、早期に勝利判決を獲得するためには、準備やオルグ活動など、会社を社会的に包囲する運動が必要になる。

裁判が長引けばそれだけ恩恵を被る人も少なくなってくる。しかし、会社がスズメの涙程度の退職金に固執するなら、打って出ざるをえない。

裁判闘争は大変だということもあるが、一方では、先輩たちの残した財産もあり、今こそそれを有効活用し、優秀な弁護団を雇い、時間はかかっても気楽に裁判でもやってみようという考え方もある。

現段階では、規定方針通り自主交渉・自主解決を目指し、会社と交渉を進める。しかし組合の妥協案に対し、あまりにもかけ離れた回答に会社が固執するなら、来年の早い段階で裁判闘争に入ることも全体で意思統一していく。