「東映アニメ契約者闘争」解決の報告とお礼


労働組合・団体各位

働く者の雇用と権利、生活を守るために、連日ご奮闘されている貴労組・団体及び皆様に心から敬意を表します。

東映アニメーションに働く契約労働者を「事業所得者」から「給与所得者」に変更させるたたかいは、さる十一月ニ十九日「全東映団交」において、会社より「直用契約者百五十四名を今年一月に溯り給与所得者とする」回答を引き出し全面解決いたしました。わずか二ヶ月あまりの短い期間で、私たちの要求を百%達成することが出来ましたのも、ひとえに御支援・御指導いただいた皆様のおかげです。ありがとうございました、心より感謝いたします。

 

東映動画労組は昭和四十七年、契約労働者の組合結成に端を発した労働争議以来、契約者の労基法適用・社員化闘争に取り組み、来年で三十年を迎えようとしています。これまで、交通費の支給を始め社会保険の適用まで、労基法適用・社員化につながる様々な労働条件改善を勝ち取ってきました。

そんな中、今年五月連休明け、東映アニメーション梶i旧東映動画株式会社)に練馬西税務署より税務調査がありました。六人の調査官が三日間にわたり、契約労働者の給与関連書類を調査する異例のものでした。調査の結果、税務署は「東映アニメに働く契約労働者の契約条件は給与所得者に限りなく近い」と判断、東映アニメに対し税務手続き変更と過去三年間の追加徴税を提示しました。

ことの重大性に驚いた会社側は契約者のうち「三十一名の事務・営業職のみ給与所得者扱いに切り換える。また、今まで労使間で取り決めてきた契約者の退職金給与所得扱いを廃止する。さらに、三十一名以外は請負性を強調する契約内容に切り換える努力をする」ことを税務署と取り決めました。その旨を労働組合に十月になってから伝えてきます。会社は契約労働者の労動者性を補強する給与所得扱いを嫌い、組合に新たな差別と分断を持ち込む不当な線引きを税務署と談合し、ことの解決を図ったのです。

東映動画労働組合は、この私たちを無視した会社と税務署の一方的なやり方にただちに抗議するとともに、他の事業所への影響を考慮して全東映労働組合連合の規模で活動に取り組みました。

練馬西税務署への申し入れ書や全東映労連の対策委員会の発足・弁護士相談・弁護団の結成・東京都労働委員会への「不当労働行為申し立て」準備・顧問税理士の依頼・地域と産別への訴えなど、会社を包囲する体制を着実に築くなかで会社の妥協を引き出すことが出来ました。今回のたたかいで当該の動画労組は、臨時大会での争議行為確認の意思統一や未組織労働者との共同、各種集会や学習会を成功させ、組合員の自覚と団結をいっそう強化することが出来ました。このことは、今後の私たちのたたかいを進めるうえで大きな自信と貴重な教訓となるものでした。

本質的には契約労働者の労働者性をめぐる問題であったのですが、会社側の労基法適用の過敏な反応から労働諸条件の改善については「継続して話し合う」ことを確認のうえ、今回は税務上の給与所得者扱いで組合も会社と早期解決の到達点としました。

会社から組合に話が来てから二ヶ月と言う速さで解決を見ましたのも、今回ご尽力ご協力いただいた多くの皆様によるお力添えの賜かと思います。本当に有り難うございました。また、今回十一名の新組合員加盟が在りましたことも併せて報告いたします。

給与所得者扱い問題は一段落しましたが、契約労働者の労働基準法適用・社員化・諸労働条件整備及び、観客に支持される自由で豊かな作品をつくる課題に、東映動画労組は今後とも果敢に取り組んでいく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 

二〇〇一年十二月

映演総連全東映労連 東映動画労働組合