| 1.宅録のきっかけ |
| 本章では私が過去にどのようなレコーディング作業を行ってきたか、経験談もあわせてご説明いたします。 |
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| 1.1 バンドのデモテープ |
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まず”デモテープを作ってみたい!!”と感じたきっかけはなんですか?
・オーディションに応募したい
・バンドのデモテープを作りたい
・自分の好きな曲をコピーしてMDやCDなどに記念にとっておきたい
・曲を誰かにプレゼントしたい
・インターネット上で自分の曲を公開したい
・・・・と様々かと思います。
このきっかけこそが、今のあなたの”目的”ですね。
私の場合は当時バンドを組んでいましたがコピーばかりをやっていましたので、そのバンドの解散を機にオリジナルをはじめました。当然オリジナルになると市販されているテープもレコードもありませんから、バンドのメンバーに聞かせるためにどうすればいいか・・?などと考えあぐねていた頃がきっかけです。
コピーにせよオリジナルにせよ、自分で録音した作品を自分だけでなく第三者に聞いてもらいたいという思いってありますよね?単に自分の記念に録音しておく・・・といっても、数年後にまたテープやCDを聞いたときにできるだけよい状態で残しておきたいものです。私も昔バンドのために作ったデモテープをいまだに持っています。写真と同じで形に残しておくと、後で聞いてみるととても懐かしく思えますね。
まっ、どちらにせよできるだけクオリティの高いものを作ってみたいですよね!
出来上がったときの達成感も人それぞれかもしれませんが、これは実際に作ってみた人にしかわからない達成感を覚えると思います。”宅録”というととてもダークなイメージ・・・・・(^^;・・があるかもしれませんが、もっと視野を広く持ちましょう!!音楽が楽しくなると思いますよ! |
| 1.2
陳腐な機材の頃の宅録 |
| そんなこんなで私が最初にデモテープを作ったときの環境を紹介します。構成はいたってシンプルで・・・ |
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図 1.1 初期の宅録機材
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”ラジカセ”+”ポータブルカセット”+”リズムボックス”
これだけ・・・・v(^^。
リズムボックスは、何か使いようがあるかなぁ・・などと当時安易に購入したものでした。
当時普通の4トラックMTRでも結構な値段していましたし、まして8トラックのMTRなんかは10万以上していましたから買うには本当に躊躇しました。アンプシミュレーターなどというものもありませんでしたので、ギターもエフェクターから直にラジカセにつないでいました。 下記に接続例を記します。
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図1.2 接続例
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エフェクターの類はまだコンパクトエフェクターを使っていました。
ラジカセには外部入力端子(AUX IN)がありましたが、ひとつしか入力できなかったため市販のものでステレオ入力端子が二股になっているプラグを購入してポータブルカセットをつないでいました。
リズムボックスはギターと入れ替えてプラグに差し込んでいました。 |
| 1.3
いざ!レコーディング! |
さて、当時私がどのようにレコーディングしていたかご紹介いたします。
①ラジカセのLine InにリズムボックスのOUT PUT端子を入力します。
②リズムボックスに打ち込んだパターンをラジカセに録音します。
③ラジカセで録音したテープを今度はポータブルカセットに入れます。
ポータブルカセットの再生する音を二股のステレオジャックの一方に、もう一方にはギターのエフェクターのOUT PUT端子を接続します。
④さて・・・・ここで一発録り!!!
ポータブルカセットを再生しながらギターを一気に弾きまくります!!
もし間違ったら何度もはじめから繰り返します。
たった4,5分程度の曲ですが、「間違っちゃいけない!!」という緊張感があり、我ながらプレッシャーでした・・。
⑤録り終わったら、次にベースです。
④で録音したギター&ドラムのテープをポータブルカセットと入れ替えます。
※実は当時ベースを持っていなかったんですねぇ~・・・汗;汗;
なんと、ギターの弦を思いっきり下げて弦がぼろんぼろんとたるんでしまうくらいに音を下げます。これをピックで弾くと強すぎるため指で弾くようにすると、これがまた・・・・結構いい感じ!!ベース的な音してくれました。
⑥ポータブルカセットで再生しながら”なんちゃってベース”を弾きまくります。
重ね録りする場合はポータブルカセットとラジカセのテープを入れ替える作業を繰り返して録音します。か~なり時間もかかるし、正直いやになりますね・・ははは。だって、一箇所間違ったら最初から録音しなおしですから。
なので、当時は多少間違っても録り直ししませんでしたね。あまりにも面倒なので・・・(^^;
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| 1.4
4トラックMTR購 |
やっと宅録ができる最低限の機材を入手しました。4トラック倍速のMTRとドラムマシンです。
ドラムマシンにはちょっとしたシンセも入っていて、ベースラインもギターのチューニングを下げて弾く・・・なんてこともしなくてよくなりました。 v (^^)v
私と同じ年代の方はおそらくMTRやドラムマシンなどのシンプルな構成で録音していた人も多かったのではと思います。
ジャンルによりますが、ロック、ハードロック、へヴィーメタルなどバンドのメンバーが4,5人構成のバンドの場合は楽器がボーカル&ギター&ベース&ドラム・・といった感じで少ないですよね。
4トラックもあればピンポンすることで十分録音できますし、結構よい感じに仕上がります。
あっ・・・・“ピンポン“ってわかりますか?最近はトラック数の多い機材が多いのであまり聞かないかも知れませんが、下記に図で記しますね。
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図1.3 ピンポン録音
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| 上記のTake1でギター、ベース、ドラムを録音してしまうと空きトラックがひとつしか残りません。後はボーカルを入れるだけ・・というのであれば問題ないですが、さらに“ギターをかぶせたい“”コーラスをかぶせたい“などという場合もあります。その場合トラック1~3は「再生」にし、トラック4を「REC」にすることでトラック4には1~3がミックスされた状態で録音されます。するとトラック1~3は空きますよね?Take2でかぶせたいパートをレコーディングします。今度は空いているトラックが3なので、1,2,4を「再生」にしトラック3を「REC」にします。するとトラック3にすべてのパートがミックスされた状態になりますね。ピンポンとはこの作業を何度も繰り返してかぶせて録音していくことの意味です。こうすることで少ないトラック数をカバーできるレコーディングが可能になります。
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| 1.5
4トラックの不満 |
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私が唯一この機材を持っていて不満だったことがひとつだけあります。
”市販されているテープやレコードみたいにステレオで録ってみたい”・・・・という欲がありました。
1トラックにボーカル、2トラックにギター、3トラックにギターソロ、4トラックにドラム&ベースとして使ってしまったら、あっという間に4トラックが埋まってしまいミックスダウンしてもモノラルにしかなりません。ピンポンを応用しても4トラックでは同時に2トラックをレコーディングに使ってしまうため実現できません。
そこで、私が考え付いた方法は、貧乏時代にやっていた”異なる機器同士のピンポン録音”です。
まず、下記のこの時期のレコーディング機材を記します。 |
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図 1.4 4トラックMTR使用時の機器構成
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ステレオは普段使用しているオーディオコンポとして使用していましたが、レコーディング用としても活用していました。 一言で申しますと、このオーディオコンポのカセットデッキと4トラックMTRとのピンポン録音をします。
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①1&2トラックにギターのL/Rをそれぞれ入力します。3&4トラックにドラムマシンからステレオで入力します。1のPANは左いっぱいに振り、2トラックのPANは右いっぱいに振ります。当然3&4も左と右にそれぞれいっぱいにPANを振ってステレオ状態にします。
ちなみにギターは、ステレオコーラスかディレイで左右に振ります。
ディレイを使用する場合は、通常のダブリングの設定でよいと思います。ディレイタイムにして10msから20msでちょうどよいと思います。 |
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図1.5 ギターとドラムマシンのステレオ入力
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これで録音するとギターとドラム&ベースがステレオになります。ドラムマシンでシンセ系も鳴らす場合は空間が広がった感じがしますのでとてもよい感じになりました。
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②次に、MTRのLINE OUTをステレオに入力しカセットデッキで録音します。
できるだけよい音質で録音したかったので、当時はメタルテープを使っていました。
※当時カセットテープには”ノーマル”、”クローム”、”フェリクローム”、”メタル”という種類があり、メタルが一番高くてダイナミックレンジも広く高音質で録音できるテープです。
当時持っていたテープデッキはDBXというノイズリダクションが内蔵されている3ヘッドのデッキだったので当時としては結構よい音質でした。
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③これで、テープデッキにはギターをドラム&ベースがミックスされた状態で録音されましたので、今度はMTR側の3&4トラックに戻します。
当然、3&4は左と右にそれぞれいっぱいにPANをふってステレオにします。
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④今度は1,2にギターソロを入れます。
ラジカセと違って、録音したいところまでテープを進めて録音できますからねぇ~。楽チン!
※ギターを何本も重ね録りする場合はテープデッキとMTRとのピンポンを繰り返します。
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⑤さぁ、出来上がりました!!
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きちんと左右にステレオになっているデモテープが仕上がりましたよ!!出来上がったときは、超感動しました!!あまり重ね録りをするとさすがにメタルテープといえども、アナログ録音ですしテープ独特の”サー”というヒスノイズが重なりあうため目立ってきてしまいますね。でも十分です。ヒスノイズはグラフィックイコライザーの高域を少し下げるだけでも目立たなくなるので、我慢できる範囲でした。
最後にボーカルですね。これはさすがに部屋で歌って録音するわけには行きませんでしたので当時一緒にバンドをやっていたボーカルとスタジオに入って、MTRを持ち込んで録音しました。ボーカルを録音するときもギターと同じ手順でテープデッキとのピンポンで重ね録りしました。
どうです?もし、同じ年代の方がこれを読むと”俺もやったなぁ~”なんて方いませんか?
私自身いろいろと機材をさわるのが好きだったので全然苦になりませんでした。逆に楽しかったですね。
皆さんはいかがですか?今なら便利な機材がたくさんあるので、”こんなのめんどくせぇ~”と感じる方もいらっしゃいますよね、きっと。
でも限られた機材で、何かやろうと思ったら意外とそれなりのことができてしまうんですよね。 |
| ♪一口メモ♪ |
ここで紹介したレコーディング方法は実は今でも応用が利きます。最近ではカセットテープのMTRはほとんど見かけなくなりましたが、トラック数の少ないハードディスクを内蔵したHDDレコーダーがあります。機能が豊富なものですとバーチャルトラックがありますのでトラック不足になることはまず無いと思いますが、安いものはついていないものもあります。そうした場合、こちらで紹介した方法を応用するとよいと思いますよ。
また、こういった不便さを解消するためのピンポン録音機能を実装しているものもあります。購入した機器のマニュアルは必ずすべて読み通しましょう!!
必ず、あなたのやりたいことが書いてあるはず!書いていなくても何かヒントがあります。マニュアルをよく読みもせず“できない、わからない”とさじを投げてしまう人もいるので、わからなくてもマニュアルは熟読しましょう!!
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