4. トーマス・D・ラッキー博士(生命科学者)
 アポロ計画に協力したミズリー大学教授トーマス・D・ラッキー博士は1982

世界的に有名専門誌(Health Physics)に、自然放射線よりも高く、特に100

あまりの線量率が最適であり10,000倍程度までの線量率の放射線を受けるのは
生体の

活性化を生じ、いろいろ有益な効果
をもたらすと発表しました。逆に放射線の極度に

低い環境では、体調が悪くなると明示しました。その論文には、200以上の参考資料と

共に、多くのバイオポジティブな効果を列挙して
放射線ホルミスと名付けました。

5. オークランド会議と電力中央研究所
 
 1984年にラッキー博士の論文を知った電中研は、ラッキー博士の主張に

ついて、その当否を
米国電力研究所に質問し、米国に責任ある回答を要求

しました。19858月、米国はカルフォルニア大学医学部に頼み、エネルギー省と

電力研究所の共済で放射線ホルミシスの専門会議を開きました。(オークランド)

この会議は、予定の3倍を超える参加者で、放射線ホルミシスを肯定する専門者

会議となりました。カルフォルニア大学と協力し、1985年秋、会議の座長を務めた
米国電力研究所環境部のレナード・セイガン氏から、「ラッキー博士の主張は

科学的に誤りではないが、昆虫など小動物データーが多い。だから哺乳動物実験

など、積極的に研究をするべきである。」という回答をいただきました。


電中研は、この分野で日本一といわれる近藤宗平博士(阪大教授)
教わり、

世界一の放射線分子生物学者ルードヴィッヒ・ファイネンデーゲン博士を、

ドイツからおよびしてまず講義を受け、資料調査など準備を開始しました。 
 
6. 全国的な放射線ホルミシスプロジェクト研究
 
 電中研の依頼で、1988年岡山大学がマウス実験をして、劇的なデーターが得られ、
1989年から岡田重文(放射線審議会会長、東大医学部)、菅原勉(京大医学部長)
近藤宗平(阪大教授)20名以上の日本のこのトップ指導者を含む研究委員会を

発足し、10以上の大学医学部、生物学部と共同研究を開始し、1990年から明快な

データーが世界の学術誌に発表されて、世界中に大きな衝撃を与えました。
ガン抑制遺伝子P53の活性化、活性酸素の抑制酵素SODやGPxの増加、

過酸化脂質の減少、膜透過性の増大(電子スピン共鳴測定)、インシュリンや

アドレナリン、メチオニンエンケファリン、β-エンドルフィン、など各種ホルモンの

増加、DNA修復活動の活性化、免疫系の活性、LDLコレステロールの減少など、

次々と明快なバイオポジティブ効果が、哺乳類で検証されました。
 
 坂本法の登場

 東北大坂本教授は、すでに1980年代から、多くの研究経験から独自に低放射線の

全身照射に着目しておられました。悪性リンパ腫の患者さんに、従来法に併用して

希望者に試行されたのが驚くべき結果をもたらしていることが解りました。

100ミリシーベルトのX線を全身に、週3回を5週間、全部で15回合計
1.5シーベルトを

照射する方法です。坂本先生は150ミリシーベルトを週25週間、合計1.5シーベルト

全身照射でも良いとされています。この方法を100人の患者さんに適用され、1990年代

ご退官の際、論文にまとめられました。坂本式の全身照射を併用された患者さんは、

84%の生存率、従来法のみを主張された患者さんの生存率が約50%比べると

驚くべき数字です。

 
8 電中研動物実験に対する米国等の動き

(1)これによって、まずマサチューセッツ大学のエドワード・カラブリーズ教授が

   1992年、米国エネルギー省や環境庁の専門家をさそって、BELLE

  (BiologicaEffects of Low Level Exposures)を設立し、低レベル刺激による

   ポジティブ効果のニュースレターや定例専門家会議活動を開始しました。
 
(2)米国原子力学会の強い要請で、1994年秋、NIHに近いワシントンで日本における

   動物実験成果の概要を講演した結果、大きな反響がありました。

   1995年秋の原子力学会(サンフランシス)では放射線に関する臨時会合で

   講演し、その夜カルフォルニア大学医学部マイロン・ポリコープ教授の

   特別講演があり低レベル放射線規制についての誤りを正す為に、自分は

   カルフォルニア大学を辞めてワシントンに移り、原子力規制委員会に加わる

   つもりであることも表明されました。
 
(3)マイロン・ポリコープ博士(カルフォルニア大学医学部・病院教授、

   米国核医学会大御所)ルードヴィッヒ・ファイ年デーゲン博士(ユーリッヒ

   研所長、放射線分子生物額世界第一人者)のおふたりがワシントンDCに

   移住し、原子力規制委員会とエネルギー省にそれぞれ所属して放射線の

   身体影響について新しい視点で、政治社会を含む研究指導活動を

   開始されました。
(4)NPO(Radiation Science and Health)が作られ、マイロン・

   ポリコープ博士が会長、ファイネンデ-ゲン博士が副会長、米国原子力学会

   放射線影響部会長のジェイムズ・マカハイデ氏が理事長になられ、RSHは、

   まずWHOとIAEAに働きかけて、低レベル放射線の国際会議を開催

   させました。
 
(5)1997年秋、600名以上の専門家がスペインのセビリヤに一週間集まり、

   低レベル放射線の問題はDNA修復活動を無視しては議論にならないことを

   主張する医学・科学者側と国際放射線防護委員会との激論が続き、極端な

   線量率の広島・長崎と低線量の身体影響、決定的な違いがあると指摘

   されました
9 ラドンに関するフィリップ・デュポート博士の発表
 

 ラドンの安全性について、ハイデルベルグのスピーソフ博士は、欧州の多くの

ウラン鉱山を訪ね、ラドンと肺ガンの関係に疑問を持って、たくさんのラットに

よる実験を行いました。肺の奥でラドンが最も確実に有害作用をもたらす方法

(トロトラスト)と、岩石としてシリカの粉末吸入との比較実験の結果、ウラン鉱山の

肺ガンはラドンではなく岩石粉末の長年月吸入によることを解明しました。

これを、国際放射線防護委員会内部被爆専門家会議で発表しました。

これを受けて、パリ郊外のフォンテネオローゼ研究所で、数千匹のラットによる

高濃度ラドンの連続吸入と肺ガン発生との関係追求実験がなされました。

各種ラドンの膨大なデータがまとまったのは、丁度1997年秋のWHO.IAEA

共催の専門家会議3日目で、元仏CEA(フランス原子力庁)でこの実験を計画指導

されたフィリップ・デュポート博士から速報されました。

自然のラドン濃度の300倍ウラン鉱山内ラドン濃度の10倍程度での結果は、肺ガン

抑制の明快なホルミシス効果が示されました。 ラドン洞窟の健康効果については、

非常にラドン濃度が高いもので、オーストリアのバドガシュタイン、米国モンタナの

ラドンヘルスマインの何万ベクトル/立方メートルといった実例があり愛好者が

訪れています。

10 
魂の人マイロン・ポリコープ博士


 カルフォルニア大学バークレーはDNA修復の研究では世界トップレベルで、

この組織の協力によって、マイロン・ポリコープ博士はルードヴィッヒ・

ファイネンデーゲン博士と共同で人体細胞は活性酸素にどのようにアタック

されているか、SOD、GPx、やカタラーゼなどの酵素が活性酸素をどの程度

押さえ込んでいるか、損傷を受けてしまったDNAを膨大な種類の酵素たちが

DNA修復のために毎日どの様に活躍しているか、DNA修復困難または修復異常の

生じている細胞を
アポトーシスまたは免疫系による除去はどこまで出来ているのかに

ついて詳細に解明されました。
活性酸素のDNAアタックが、自然放射線によるDNAアタックの1000万倍で

あると結論付け,ファイネンデーゲン博士と連名で多くの専門誌に発表し、

米国アカデミー及びフランス医科学アカデミーで後援されました。ポリコープ博士の

熱意で、セビリヤ会議になり、フランス医科学アカデミーのモーリス・チュビアーナ

博士主導によるEU研究者たちの大掛かりな研究、放射線量率をどこまで上げて

いけば人体細胞のDNA修復は不可能になるのか限界追求がなされました。






     あらまし

 この機会に放射線ホルミシス研究を通して得られた世界トップレベル科学者たちからの情報と、その純粋な動き、そして多くの出来事をご報告いたします

1927年マラー氏の実験から1982年12月ラッキー博士の放射線ホルミシス発表、1997年11月のセビリヤにおける専門家会議(WHO/IAEA共済)、2007年11月
フランス医科学アカデミー代表チュビアーナー博士のマリー・キュリー賞受賞後援と米国科学アカデミー報告の紹介にいたる大きなドラマでした

資料提供
服部禎男 工学博士
ホルミシス臨床研究会理事

放射線ホルミシス

第26回日本東方医学会「教育講演」配布資料より
後援 日本医師会
    厚生
於 東京国際 フォーラム
2009 2月15日

1 マラーの法則         11 モーリス・チュビアーナ博士のダブリン宣言
2 ハンフォードの怪         
12 台湾高放射線マンションの住民
3 
ラジウム夜光時計作業者     13 エドワード・カラプリーズ博士の動き
                          14  
 ヴィレンチック博士とカラプリーズ博士の連携
                 
                     
むすび

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