企画案内

2008年1月

俺はこうして夢うつつに横たわっていた。すると天井が消えて月が落ちてきた、すぐそばに、目の前に、俺はこの腕で月を抱きとめた。光を散りばめた空がゆっくりと降りてきた。俺は空にぶつかってしまった。星に手を触れ、もがいた。氷のはった池にはまり、いまにも溺れ死しそうな男のように。


分かりっこないさ! 俺たちはお互いに相手のことなんて何もわかってやしない。象みたいに厚い皮膚をした生きものなんだ。相手をもとめて手を差しのべあうが、それは無駄な努力。ただぶ厚い皮膚をすり合わせているだけのことだ。俺たちの感覚はお粗末きわまりなくて、もしも知り合おうと思ったら、相手の頭蓋骨をかち割って、脳髄の中から考えてることを引きずりだしてやらなきゃならない。



2008年3月/theater iwato