「九重天 伍佰&China Blue 2002巡迴演唱會」高雄公演
2002年5月25日
高雄澄清湖棒球場

高雄は暑かった。
いや、熱かった、と書いた方がより正確だろうか。
やはり、南部の暑さはただものではない。
そこにいるだけでぶっ倒れそうな暑さの中、多数の人が長時間行列し、そして、伍佰さんたちは、6時間もリハーサルをしたという。
驚異的である。

高雄澄清湖棒球場はまだできたばかりの新しい球場で、コンサートの会場として使われるのは初めてだということだった。

ところで、今までずいぶんたくさん伍佰さんたちのライブを見てきたように思うし、台湾にも何回も来ているので、うっかりしていたのだけれど、そういえば、大型演唱會はまだ台湾では一度も見たことがなかった。
なにしろ、新譜が出たときにしか本格的な大きなツアーというのはやらないし、前回の真世界ツアーは2年以上前で、そのときは台湾には行けずにシンガポールに行った。
それ以来、大型演唱會というのは行われていないわけだから、今回が2年間待っての、初めての台湾での大型演唱會だったのだ。

そうか、これが台湾での大型演唱會というものなのか、と思った。
圧倒的だった。
伍佰さんたちがベストのパフォーマンスをする、というのはいつものことである。
観客も“外地”であっても盛り上がるだろう。
でも、台湾では明らかに何かが違うと思う。
やはり、台湾が彼らの“ホーム”であり、台湾でのコンサートは彼らの“ホームゲーム”であり、台湾の観客はホームのサポーターなのだ。

それに、私は前回、一般の観客の中での年越しコンサートで彼らの演奏を聴いているからすごくよくわかったのだけれど、同じように観客がたくさんいても、やはり純粋に伍佰さんたちが好きで来ている観客ばかりの中では、パワーの引き出され方がもう全く違う。
結局は、演奏する彼らの真剣さと集中力、そして聴衆のレベルが圧倒的に違う、ということなのだろうか。

今回のコンサートは、China Blueの結成10周年の節目のコンサートでもあった。
伍佰さんが初めて書いた曲など、古い懐かしい曲もたくさん演奏した。
でも、古い曲も新しい曲も、北京語の曲も台湾語の曲も、みんな知っていて当然のようにすぐ反応したり一緒に歌ったりしている自分に気づいた時、そういう自分にある種の感慨を覚えずにはいられなかった。
台湾でのコンサートで、ごく当たり前のようにそういう聴衆のひとりでいる自分に、この2年半という時間を感じてしまったからだった。

2年半前は、一生懸命に、伍佰さんのファンに「なろうとしていた」自分が、今は、完全に、当たり前に、伍佰さんのファンで「ある」こと。
この2年半を過ごしてきた結果として、そういう今の自分がいる。
そして、その変化は、私にとって、本当に人生が変わるような、決定的なことだったのだ。

本当に、伍佰さんを好きになったことは、単に「好きなミュージシャンができた」ということを超えたできごとだった。
台湾という国が本当に身近になり、周りの人間関係が変わり、日々の使用言語が変わり、そして、自分が日本人であるということの意味を真剣に考えるようになった。
そして、何より、伍佰さんの世界を深く理解していくにつれて、ただ「あなたが好きです、応援しています、がんばってください。」では済まされなくなり、自分もまた彼のように、自分の人生を本当に真剣に、勇気を持って歩んでいかなければならない、そうでなければ彼に対して顔向けができない、と感じるようになった。

もうすでに、私は「ファン」という次元を超えてしまったのかもしれない。

より高いところに向かって常に挑戦し続ける彼らのコンサートは、実に感動的だった。
それは、もう、言葉では言い表せない。
彼らと出会い、その場に身を置いている自分の幸せをひしひしと感じた。

10周年という数字には意味はない、と伍佰さんは言う。
単なる通過点にすぎないと。

次回彼らのライブを見るときには、私も大きく踏み出した自分でいたい、と誓っている。
踏み出せば、そこが私の道になるのだから。

(TEXT & PHOTO by 仁美)

mini photo album

コンサート会場になった高雄澄清湖棒球場

街宣車も登場!

その後ろ姿

高雄駅前には大看板も

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