三国演義と同様に紅楼夢の切手を紹介しましょう。登場人物の切手で
す。祖先の勲功により代々高官を出し、皇室の姻戚でもある上流階級
の賈氏一族のお坊ちゃん賈宝玉を主人公とする。賈宝玉は勉学が嫌い
で、豪邸に同居する美少女たちと風流生活を送る。
小説はその生活の細部を描き、美少女たちとの交情を克明に記しなが
ら進行する。賈宝玉は趣味の合う美少女、 林黛玉と相思相愛の関係
となるが、お互いに心がうまく伝えられない。この繊細でプライドの
高い林黛玉が女主人公の位置にある。だが、二人はお互いに引かれな
がらも、ささいな嫉妬から大喧嘩をし、結局は「金玉の縁」で結ばれ
た温和な良妻賢母型の薛宝釵と結婚することになる。
この三角関係を軸に小説は展開する。やがて病弱な林黛玉は恨みを抱
いて死に、賈家は権勢を嵩に民衆を苦しめた罪で家産を没収され没落
し、人々も離散していく。
(説明文はインターネット「紅楼夢小事典」より)
19-1.表紙、
「紅楼夢郵票珍蔵冊」の文字は著名書法家「駱恒光」先生
の筆によるもの。
19-2.黛玉葬花、(第27回)林黛玉(14) /金陵12釵
如海の娘で、紅楼夢のヒロイン。2月12日生。母の死後、
史太君の声がかりで上京しました。大観園では瀟湘館に住
みます。生まれながらにして病弱な上、神経過敏で度量が
狭く、日夜泣いてばかりいます。当初は宝釵をライバル視
していましたが、本意を知って和解します。
19-3.寶釵撲蝶(第27回)薛宝釵(17) /金陵12釵
薛未亡人の娘。黛玉とともに物語のヒロイン。1月21日
生。学問才識深く、おしとやかで慎み深い女性です。幼い
頃から父親に学問をしこまれ、女官候補となるべく家族と
上京しました。大観園では蘅蕪院に住みます。士太君の
発案で[金玉縁]のとおり宝玉と結ばれました。
19-4.元春省親(第18回)賈元春(30) /金陵12釵・賈家四艶
賈政の長女。1月1日生。選ばれて宮中に上がり、女史か
ら貴妃(封号は賢徳妃)へと出世します。大観園は元春の
里帰りのために建立されました。賈家の繁栄のシンボルで
したが、占い通り卯年の寅月に31才で痰厥のため薨去。
賢淑貴妃と諡されました。
19-5.迎春誦経、(第73回)賈迎春(10代後半?) /金陵12釵・賈家四艶
賈赦の妾腹。生母は幼くして亡くなったようです。おと
なしく口数少ない女性で、第72回以前に彼女のセリフを見
つけるのは至難の業です(笑)。大観園では始め綴錦楼、
後に紫菱洲に住みました。孫紹祖に嫁ぎますが、いびられ
て召使同然の扱いを受け、1年余りで病死します。
19-6.探春結社、(第37回)賈探春(14) /金陵12釵・賈家四艶
賈政の次女。妾腹で宝玉の異母妹。大観園では秋爽斎に
住みます。3月2日生。詩会を発案したのは彼女でした。
人一倍賢明で家政の切回しに大いに才覚を発揮します。
賈家の早晩の没落をも予見していたようです。生母の趙氏
とそりが合わず、常にぶつかっています。
19-7.惜春構圖、(第42回)賈惜春(13) /金陵12釵・賈家四艶
賈敬の娘、賈珍の妹。早くに母を亡くし王夫人に育てら
れました。大観園では寥風軒に住みます。史太君の命で大
観園の図を描きました。幼いながら(そんなに幼くないと
思うのですが)強情潔癖、寧国邸の空気を嫌って邸との
絶交を宣言します。
19-8.湘雲拾麟、(第31回)史湘雲(14?) /金陵12釵
史家の姫君。幼い時に両親を亡くし、叔母と暮らしてい
ました。生活に困窮し日々夜なべ仕事に追われていたよう
です。1ヶ月~数日の滞在で賈家を訪れていましたが、
伯父・史鼎の転任に伴い大観園に移りました。茶目っ気多
く快活で才気煥発な女性です。
19-9.李紈課子、(第4回)李 紈 /金陵12釵
賈珠の妻。李守中の娘。字は宮裁。李家は代々学者の
家柄だったらしいです。おとなしくて情け深く、家人か
らは「仏様」とあだ名されています。大観園では稲香村
に住みます。熙鳳の病臥中は、探春と事務を執っていま
すが、事務的な能力はあまりないようです。
19-10.鳳姐設局、第4回)王熙鳳(22) /金陵12釵
賈璉の妻で王夫人の姪。9月2日生。幼名は鳳哥。縦横
無尽の才をふるって幅をきかせ、史太君のお気に入りとな
ります。可卿の葬儀では手腕を発揮し、寧国邸の奥向きを
取り締まりました。一方で家政を厳しく取締り、公金で高
利貸をするなど怨嗟の的になっていました。
19-11.巧姐避禍、(第119回)賈巧姐(7~8) /金陵12釵
賈璉と熙鳳の娘。大姐児。7月7日生。劉婆さんが名付
親でした。熙鳳の死後、王仁・邢徳全・賈環・賈芸らによ
って外藩の王に売られそうになりますが、平児と劉婆さん
の働きで難を逃れました。劉婆さんの村の金持ち、周氏に
嫁ぎました。
19-12.、可卿春閑、(第5回)可卿(兼美) /金陵12釵
警幻の妹。第5回で幻境を訪れた宝玉が夢の中で嫁にもらい、
契りを交わしました。可卿が名前で兼美が幼な名。「兼美」
とは黛玉と宝釵、二人の美を併せ持つ美しさを意味するそ
うです。
19-13.妙玉奉茶、(第41回)妙玉(21) /金陵12釵
翠庵の有髪の尼。蘇州の役人の子。幼い時、玄墓山の蟠香
寺で修行し、17歳の時上京して牟尼庵に入りました。師匠
の死に際して賈邸に入り、翠庵にて修行に励んでいました。
性格は偏屈で気難しく、宝玉・惜春・岫烟以外は彼女を苦手
にしているようです。
19-14.雙玉読曲、(第23回)
宝玉と黛玉の二人(雙玉)が本を読む。一陣の風が桃の花を散らしました。
花びらを掃き集めて川に投げ入れんとする宝玉に、黛玉が声をかけます。
「花塚をこしらえましたので、花びらを掃き集めて土の中へ埋めてやりま
すの」「じゃあ、本をしまって私もお手伝いしますね」「あら、何の本で
すの?」…しまったぁ、と思う宝玉。
19-15.寶玉悟情、(第36回)賈宝玉(15)
賈政の次男で紅楼夢の主人公。前世は大虚幻境の神瑛使者。
口に通霊宝玉を含んで生まれた(これが青峯の石です)
ことから宝玉の名がつけられました。幼い時から姉妹とば
かり遊び、学問を批判して憚りませんでした。大観園では
怡紅院に住みます。前世の因縁で林黛玉に想いを寄せますが、
史太君の一存で薛宝釵と結婚します。
19-16.黛玉葬花、黛玉(第27回)黛玉、花の下に泣く(第26~28回)
黛玉が怡紅院の門を叩くと、「明日出直してよ」と侍女
の声。黛玉はそこで「私よ、これでも開けないの?」と声
をはりあげます。しかし侍女は「若様の言いつけなの。誰
も入れるなって(実は晴雯が悪い)」。その時、院の扉が
開き、宝玉・襲人らが大勢で宝釵を送って出てきました。
これには呆然とする黛玉、しょんぼりとして瀟湘館に戻り
ます。
19-17.寶釵撲蝶、(第27回)宝釵、蝶に戯れる(第27回)
宝釵が出迎えに瀟湘館へ向かうと、ちょうど宝玉が入っ
ていくところ。前方に大きなつがいの蝶が舞っているのが
目に入りました。茶目っ気を起こした宝釵は、扇子を取り
出して打ちかかります。右に左にゆらゆらと舞う蝶を追っ
て滴翠亭までやってくると、亭の中から誰やらのひそひそ
話が聞こえてきました。
19-18.煕鳳弄権、熙鳳、可卿の葬儀を取りしきる(第13~15回)
亡くなった秦可卿の葬儀の手配で、寧国邸はてんやわん
や。尤氏が持病で伏せっているため、賈珍は熙鳳に奥向き
の采配を依頼しました。自分の手腕を見せつけてやりまし
ょう、と揚々と寧国邸に乗り込む熙鳳。各々の受け持ちを
決めさせ、時間に遅れた妻女に罪を当て、ビシビシと執り
行います。水も漏らさぬ周到ぶりに周囲は感嘆するばかり。
19-19.三姐飲剣、(第66回)尤三姐
尤老母の娘。あばずれでしたが、柳湘蓮に思いを寄せて
後、身を慎むようになります。しかし、結婚目前で湘蓮は
突然の心変わり(私は宝玉が原因だと思う)、失望した三
姐は剣で頸をはねて自害しました
19-20.晴雯補裘、(第52回)晴雯(16) /又副12釵
宝玉の侍女。父母は早逝。10歳の時、頼大に買われ、史太
君づき→宝玉づきに。短気で口が悪く、王善保の妻の讒言で
王夫人の怒りをかい、邸を追い出されました。病気(肺病?)
と失意で翌日死亡。宝玉がその死を悼んで芙蓉の花の前で
お祈りをします。
19-21.金陵十二釵
神瑛侍者は賈宝玉となり、口に通霊宝玉(女媧氏の石)を含んで生まれま
す。絳珠草は林黛玉となりました。他の仙女たちも宝釵・元春・迎春・探
春・惜春・李紈・熙鳳・巧姐・湘雲・可卿・妙玉等として生まれ変わりま
した(これら12人の女性が金陵十二釵と呼ばれます)。
19-22.収蔵証書、
この切手冊子には保証書が付いている。
2007.10.20
■写真・文: 畔見 正人