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2 旧国鉄モハ31形戦災復旧車など

  

昭和24年ごろから西武鉄道では省形国電の戦災焼失車両を積極的に取得し、営業車両に共用する策をとってきたが、今回は、旧省電モハ31形について写真と車両履歴台帳から、趣味の範囲で見ていきたい。

(1)331系の興味

○ 国鉄時代のモハ31形原型は右の写真のとおりでした。
○ 西武で登場したばかりの頃は、原型どおり、正面雨どいがフラットのままでしたが、まもなくこれを弓形に改造してより美しく見えるようになりました。

○ ところが、国鉄では、モハ31系の更新修繕工事に伴って、西武の後を追うように、正面雨樋を弓形に改造しました。上の左側の写真のとおりです。

○ 通常、西武が国鉄標準仕様を追っていたのですが、これに限っては、西武が先行していたのです。ただし、国鉄では、後部の2エンド側はフラットのままでした。

(2)331系の特徴

○ 表1車輛変遷一覧表で見るとおり、総勢13両の車両が導入された。

○ そのうち、昭和4年度と5年度タイプが9両あり、6年度タイプが4両である。前者はリベットが多く、後者はリベットは主にウインドシルとヘッダー及びドア回りとすそに打たれているだけですっきりしており、特に、目でわかる特徴として、台枠の相違に伴って、前面すそ周りに違いが見られる。

(3)車番の変遷

○ 24年の供用開始時の車番は321番以降に整理されていますが、昭和26年に省形モハ50タイプの増車に伴って10番繰り下げられて、331以降に改番されました。

○ その後、昭和28年に事故車のモハ31081が入線しモハ343に改造を受け共用されました。そして、昭和31年に部分的な改番があり、その際6年度製の車両を331から334に整理しました。

○ その後は、制御車不足を補う目的で、331系は340までに整理し、残りの3両は電装を外して、30系クハ1304の続き番号で、クハ1305から1307が登場しました。

○ 昭和42年以降はクモニへの改造2両のほかは47年までにすべてが廃車されました。

                        表-1    車両変遷一覧表

省(国鉄)番号 製造年度 改造年・メーカー S24 S25 S26 S28 S31 S35 S37 S42 S44 S45 S47
モハ31071 s6年 s24所沢車両工場 327(2) --- --- →337 --- →331 --- --- --- --- --- 廃車
モハ31081 s6年 s28所沢車両工場 343 →332 --- --- --- --- --- 廃車
モハ31077 s6年 s24所沢車両工場 323(1) --- →325 →323 →333 --- --- --- --- --- 廃車
モハ31080 s6年 s24所沢車両工場 322(1) →324 --- →334 --- --- --- --- --- --- 廃車
モハ31041 s4年 s24所沢車両工場 321(1) --- --- →325 →335 --- --- --- --- ⇒クモニ3
モハ31088 s4年 s24所沢車両工場 322(2) --- --- →336 --- →342 →1306 --- 廃車
モハ31038 s4年 s24所沢車両工場 324(1) →326 --- --- →332 --- →1305 --- --- 廃車
モハ31019 s4年 s24所沢車両工場 327(1) →325 --- →321 →331 --- →337 --- --- 廃車
モハ31062 s5年 s24所沢車両工場 328(1) --- --- →338 --- --- --- --- ⇒クモニ4
モハ31027 s4年 s25小糸車両 330(1) →329 →339 --- --- --- --- 廃車
モハ31025 s4年 s25小糸車両 329(1) →330 →340 --- --- --- --- --- --- 廃車
モハ31032 s4年 s26関東車両電気 331→341 --- --- →1307 →1308 --- 廃車
モハ31044 s4年 s26関東車両電気 332→342 --- →336 --- --- 廃車

(4) 車輛写真を見る

○ モハ331
  昭和42年1月に井荻で撮影したものです。
  昭和6年度タイプのすっきりとした形態です。次位に連結しているのは、クハ55タイプの1431形です。
  国鉄モハ31形更新車と同一形態ですが、正面を見てその違いは、以下のとおりです。
@雨樋縦管が西武の場合はガス管(マル管)であること、
A尾灯が取り付け式であること、
B正面左上の運行窓、は付いていません
C正面雨樋上のフットステップがありません

















○ モハ335

  昭和35年11月 新井薬師前駅で撮影
  次位に連結しているのはクハ1221形です。
  この車輛も昭和6年度タイプで、すっきりした印象です。

















  
○ モハ335

  昭和40年11月、井荻駅で撮影しました。
  335以降343までは昭和4年度タイプです。
  前面から側面にかけてのすそ回りの違いに注目してください。
  また、この写真ではわかりずらいのですが、リベットがやたらに多くなります。
  この車輛は、昭和42年に、クモニ3に改造されました。
  電気連結器まで付いています。















○ モハ336

  昭和31年2月野方⇒沼袋間で撮影
  次位に連結しているのは、クハ1451形、後の1431形です
  戦後復興タイプから再整備され出場直後の姿です。

















○ モハ337

  昭和37年3月上石神井検車区で撮影
  次位に連結している車両はクハ1305タイプです。
パンタグラフはまだPS-13になっていません。



















○ モハ338

  昭和35年8月上石神井検車区で撮影しました。
  次位に連結している車両はクハ1305タイプです。
パンタグラフがまだPS-13に変わっていません。


















○ モハ339

  昭和32年3月下落合駅で撮影
  次位に連結している車両はクハ1451形です。
  西日に反射してリベットがさわやかに映し出されています。
  台車は、この系列本来のDT11が付いています。

















○ モハ340

  昭和26年ごろの野方⇒沼袋の風景です
  次位に連結している車両は、木造の1221形で以前は木製省電でした。
















○ モハ342

  昭和30年6月 新井薬師前⇒沼袋で撮影
  西武の戦後復旧車輛は、正面の中央の左側の窓は桟がはいっていました。しかしその後の更新により前面はすべて1枚ガラスとなりました。












○ クハ1305

  昭和32年1月狭山湖駅(いまの西武球場前駅)で撮影
  次位の連結車輛は、モハ231形です
  このため、連結器は自連に代えられました。
  前年度に、モハ332から制御車化された車輛です。
  台車もご覧のとおり、履き替えられました。
  扉がまだ木製のままであることも注目です。


















○ クハ1306
  昭和35年8月上石神井検車区で撮影
  中央はモハ311系で、左の奥に国鉄から入線し仕立て上げられたばかりのモハ352(元国鉄クモハ14100)が確認できます。














○ クハ1307

  昭和35年1月沼袋駅で撮影
  モハ341から制御車化されましたが、まだ出場ほやほやで、この編成のあり方は西武では珍しい光景です、
  モハ331形(奇数向)+クハ1307(奇数向き)+クハ1221形(奇数向き)です











○ クハ1308

  昭和42年1月井荻駅で撮影
  クハ1307が偶数向きに方向転換したため1308に改番しました
  パンタグラフの取り付けフックは残されたままです。












 





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