奥又白池〜前穂高〜奥穂高

奥又白池から見た朝の前穂方面
【山行日】 2006年9月29日〜10月1日 【天 候】 9月29日、30日晴れ。10月1日曇り後雨
【山 域】 北アルプス穂高岳

【参加者】 小林
【地 図】 1/25000地形図 穂高岳
       昭文社山と高原 槍ヶ岳・穂高岳 
【コースタイム】
9/29 牛久4:10〜塩尻IC〜9:05沢渡9:20〜9::45上高地9:55〜11:05明神池11:45〜11:55明神分岐〜12:55
 徳沢13:05〜14:30 中畠新道分岐14:50〜17:25奥又白池
9/30  5:00起床〜6:20出発〜7:30ルンゼ入口8:40稜線〜9:30前穂高10:00 〜10:25紀美子平10:40〜12:40奥穂 高 13:10〜13:48白出のコル14:15 〜14:40涸沢岳〜14:55白出のコル〜16:40涸沢キャンプ場  
10/1  7:15涸沢発〜8:20屏風のコル〜8:35分岐〜9:20屏風の耳〜9:35屏風の頭9:50〜10:30分岐10:35〜12.25中畠新道分岐〜13:35徳沢13:45〜16:20上高地16:40〜沢渡〜塩尻IC〜牛久

9/29 午前4時10分自宅発。当初の予定では前日の早朝発であったが、睡眠剤を飲んで寝たら寝坊してしまったため、行程を1日短縮して、29日発となった。中央道塩尻ICを降り、曲がりくねった県道経由で沢渡には9時頃到着。早めに着いたので、1本早いバスに乗ることができ、上高地には9時50分頃到着。暫くぶりで重いザックを背負い、梓川の右岸側の遊歩道を上流へと向かう。分流して林の中を流れる川の水が澄み切っていてきれいだ。1時間程で明神池に到着。滅多に来る機会もないので、入園料を払い池の周辺を歩く。明神岳の前衛峰が青空に聳え、すばらしい。池には、イワナとおぼしき魚が泳いでいた。 ここから、明神橋を対岸へと渡り、徳沢までの比較的平坦な遊歩道を歩く。梓川の白く広がる河原がまぶしいほどだ。

梓川と岳沢

明神池から見た明神岳
 徳沢の手前で、明神岳の東面がよく見える。やがて、徳沢キャンプ場が見えてきた。芝生の敷地で、気持ちのよいキャンプ場だ。ここから10分程遊歩道を歩き、新村橋を渡り、右岸側の車道に出る。ほぼ水平な車道が大きく左にカーブし、奥白又谷に沿って登る。この道は奥白又谷の砂防工事に使われた工事用道路のようだ。

明神岳東面
 やがて、道は樹林帯の中の石がゴロゴロした登山道になる。途中、井上靖の小説「氷壁」で有名となったナイロンザイル切断による遭難慰霊碑が道に脇にあった。徳沢から1時間半ほどで石のゴロゴロした河原の中畠新道との分岐に到着。早朝から車の運転、バスの乗り継ぎ、ザックを背負っての歩行で結構疲れた。分岐点で休んでいると、上から女性2人の登山者が降りてきた。パノラマコースは下山に使う人が多いようだ。

中又白谷

中畠新道分岐手前の遭難碑(井上靖の
氷壁のモデルとなった事故のケルン)
 休憩後、出発。河原の中で踏み跡がよく分からず、空身でルートを偵察し、小さな尾根の下に踏み跡が見つかった。登り口に遭難レリーフがある。昭和50年代初期で、2人の名前がある。道は急な尾根をジグザグに巻きながら、上へと登る。道は一旦緩くなり、また急登へと変わり、朝からのアルバイトの疲れが出てきて、足取りが重い。15分歩いては休み、また10分歩いては休みと、ペースが極端に落ちてしまった。時刻は4時を過ぎ、日没までに池に着けるか心配になってくる。今年の8月に会山行で奥又白池〜前穂北尾根〜前穂〜奥又白池を計画したが、夏場であれば暑くて大変だったであろう。歩く時間より休む時間が多いような状態で、やっと奥又白へトラバースする斜面へとたどり着く。ここまでくれば日没までには着けると、ほっと一安心。気持ちが軽くなり、トラバース道最後の草地の斜面を登ると、ひっそりとたたずむ奥白又池が目の前に広がった。ようやく着いた。対岸にテントが2張り。一人ぼっちではなさそうだ。朝露で濡れると重くなるのでフライは張らず、テント本体のみ池の畔に張り、夕飯の用意。メニューはスパゲティー。明日の朝の分も含め、2食分作る。テント泊まりは5月の連休以来だ。ヘッドランプを天井から吊るし、一人での食事は少しわびしい。

中畠新道分岐(取り付き点が分かりにくい)

夕刻の奥又白池
9/30 午前5時起床。昨日のスパゲティーを暖め、朝食。前島さんから聞いた情報では、前穂〜明神のコルまでは道があるそうだが、手っ取り早く、対岸にテントを張っていた登山者にも道を聞く。3人程のグループで、彼らは昨日は池から見て南の茶臼の頭につながる尾根のコルを越え、沢を下り明神岳まで登り返して、稜線から池まで下ったそうだ。途中に雪渓が残っているという。アイゼンは持ってきていないので、取りあえずルンゼの入口まで行くことにする。池から暫く登ると、斜面の紅葉が始まり、朝日に映えてきれいだ。ルンゼの入口までたどり着き、上の様子を観ると、ガレ場というかザレ場というか、不安定な石が堆積していて、足場がかなり悪そうだ。縦走用の荷物を背負って登れるか不安だが、とにかく登りだす。途中、何度か落石を起こす。幸いというか、後続の者がいないが、グループで登る場合は、かなり危険が伴うだろう。8月の会山行で来なくて良かった。途中、ルンゼの中に雷鳥を2羽見かけた。餌もなかろうに、何をしているのか。 

ルンゼ手前から見た奥又白池

ルンゼ手前の登り

稜線へのルンゼ

ルンゼの中の雷鳥2羽
 必死に1時間以上登り、体力の貯金が無くなる頃、ようやく稜線に到着。上からルンゼを見るとザレた岩場が切れ落ち、よくこんな所を登ったものだと思う。 稜線でしばらく休み、前穂へ向かって出発。天気がすばらしく良く、奥穂高から西穂高、前穂から明神への岩稜が絶景だ。稜線の踏み跡はかなりハッキリしていて、歩きやすい。1時間足らずの登りでようやく前穂高の頂上に到着。30年ぶりの穂高だが、前回の記憶は全くなく、新鮮だ。

稜線から見たルンゼ

前穂〜明神の稜線から見た奥又白池

前穂高方面から見た明神岳

西穂〜奥穂の稜線
 頂上では写真を撮ったりしてしばらく休み、奥穂高への分岐点である、紀美子平へと下る。分岐から奥穂への道はほぼ水平に近いトラバース道だが、小さなアップダウンがあり、結構疲れる。吊り尾根の最低鞍部で涸沢をのぞくと、キャンプ場のテントがごま粒のように小さく見える。今日はあそこまで下らなくては。奥穂の登りでは何度か休み、ようやく頂上に到着。

前穂高山頂にて

吊り尾根から見た涸沢とキャンプ場

遠く霞む富士山
 西穂高〜奥穂高の岩場にガスが掛かり、なかなかいいロケーションだ。頂上の社をバックに写真を撮り、下山開始。奥穂高山荘のある白出のコルまではかなり下る。山荘前のベンチで一休みし、空身で涸沢岳を往復する。これで今回の山行で3000m峰を3座登ったことになる。 

前穂北尾根

奥穂〜涸沢岳の稜線

奥穂高頂上

ガスに覆われるジャンダルム
 午後3時前にザイテングラードを下山開始する。上から見ると、途中の尾根の岩峰の辺りまで下れば、あと一息のように見えたが、尾根からはずれ、斜面をトラバース気味に下り始めてからが非常に長かった。下れども下れども、小屋に行き着かず。2時間近くかかり、疲労困憊の状態でキャンプ場に到着した。テント場使用料500円を管理棟で支払い、テントを設営。夜になって雲が広がり、明日の天気が心配だ。

ザイテングラードから見た前穂北尾根

前穂と残月
 10/1 午前7時過ぎに涸沢を出発。今日は天気が下り坂で、空は曇っているが、周りの穂高の山々はよく見える。当初の計画では横尾経由で上高地へ下る予定であったが、見晴らしのよいパノラマコースに変更する。涸沢ヒュッテ脇の道を少し下ったところで、横尾方面への道と分かれ、ほぼ水平のパノラマコースに入る。水平とはいっても尾根を越すたびにアップダウンがあり、昨日までの疲れが残っている体にこたえる。

錦秋の涸沢

涸沢の紅葉と

紅葉と槍ヶ岳
 屏風のコルには8時20分に到着。見晴らしがよいコースなので、登山者が多い。新村橋方面への分岐にザックを置き、空身で屏風の耳へと向かう。暫く急な坂を登ると、周りの展望が開け、屏風の耳に到着。曇り空ではあるが、前穂高から奥穂高、北穂高そして槍ヶ岳へと続く山並みが目の前に広がり、まさに穂高の展望台。絶景ということばがぴったりだ。北の方向を見ると、屏風の頭は一旦下り、登りかえして20〜30分ほどの距離のようなので、屏風の頭まで行くことにする。急な道を灌木につかまりながら下り、休みながら登りかえすと、漸く屏風の頭に到着。邪魔になるものがないので、屏風の耳より更によく穂高〜槍の山並みが見える。「日本アルプス」の名前に恥じない眺めだ。写真を撮りながら頂上には20分程居て、分岐まで下山。

屏風岩から見た前穂〜奥穂〜北穂

屏風岩から見た北穂〜槍ヶ岳

屏風の頭から見た涸沢

パノラマコース途中から見た中畠新道
(中央の尾根)
 分岐から曲がりくねった急な登山道を延々と下り、小さな尾根を越し、沢沿いの道を下ると、一昨日登った奥白又池への急な尾根が見えてきた。あそこをあえぎながら登ったのかと思うと、懐かしいような不思議な気持ちだ。近くで休んでいた登山者に聞くと、奥白又池へは下から登ると大変なので、涸沢から前穂北尾根の5・6のコルを越えて行くので良いそうだ。中畠新道の分岐について暫く休み、下り始めると小雨が降ってきた。量は多くないので、カッパを着ずにいたら、やがて雨脚が強くなり、カッパを着る。そのうちまた雨が止み、脱いだり着たりしながら、林道に到着。新村橋を渡り、1時半過ぎに徳沢に到着。次のバスの時刻は午後4時なので、間に合うが余裕を持たせたいと、雨の中、少し早めに歩く。ところが、これが良くなかったのか、途中から右足の膝が痛くなりだし、20分歩いては休み、15分歩いては休みの状態になってしまった。途中に落ちていた木の棒を杖にして歩き、上高地には16時20分に漸く到着。疲れた! 予定では、高速に乗る前に温泉に入り、疲れをとるつもりであったが、探す余裕もなかったので、直接塩尻ICに向かう。途中、談合坂ICで仮眠を取り、午後11時半過ぎに自宅に到着。
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