古代の「サヘの神」からはじまる性神の呼称って、私のメモで数えてみても120柱近くあるんですよ。その一柱に「山の神」という女の性神がおわします。
航空会社のマイレージがたまったので、島根県に飛んで、八重垣神社の山神神社を訪ねてみることにしました。山の神とのご対面は、初めてなんです。
八重垣神社は出雲大社系に属し、なかなかに格式があり、注連縄の太さには驚かされます。
山神神社のホコラは本殿のすぐ側にありました。高さ1.5mほどの木製の男根形がホコラのわきでニョッキリ直立不動しているのですぐにわかります。
蚊の襲撃を気にしながら、写真を撮っていると、背後で「あッ、ちんちんだ!」とアッケラカ〜ンとした若い女性観光客の声が…。
こちらの山の神の正体は、コノハナサクヤ姫の姉さんのイワナガ姫だそうです。漢字で表記すると「磐長姫」になり、顔も体も岩のようにゴツンゴツンしていたのでしょう。
イワナガ姫はコノハナサクヤ姫とセットでニニギノ命に輿入れさせられるんですが、結局イワナガ姫はソデにされちゃうんですね。これを恥じて、山にこもって一生涯独身で暮らします。
で、男をまったく知らない山の神に男性のシンボルを祀って慰めてあげようってわけです。ニョッキリ直立不動の男根形とペアをなすように、石でこしらえた男根亀頭部もありますし、ホコラの床下にも、石や木でこしらえた男根形が奉納されています。
やたら嫉妬深い性神なので、祀るのは男根形ばかり。……おや〜、女陰形もあるじゃありませんか。女陰形なんてとんでもないはずですか。奉納した人はこのことをまったくご存知なかったんでしょう。(只野栄一)
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