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中国経済の減速と電力消費・鉄道貨物輸送量

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前編:中国経済の減速と電力消費量・鉄道貨物輸送量の推移
(2012年11月21日)
                 
Chinese economy  (2013年2月~2016年4月の最新データを追加、更新 )

住宅価格の高騰(2016年5月)

中国の経済成長の減速は、誰もが認めるところとなりました。しかし、生産年齢人口の減少、都市労働者の労務費上昇、地方政府の過大債務残高、国有企業の過剰設備と債務、住宅不動産在庫の積上りなど、多くの問題を抱えている割には、直近のGDP成長率は6.7%と比較的高い値を維持しています。
 中国政府が発表するGDP値には疑念が持たれています。GDP値が正しいものであったとしても、2015年のGDP成長率の
6.9%は、株価の異常な高騰に支えられたものであったことを下記に示しました。
 また、2016年第一四半期のGDP成長率は、住宅価格の異常な上昇に支えられたものです。景気対策としての金融緩和により、2015年に入ると大都市の住宅価格は上昇を始めました。深圳などは異常な高値に達しています。中国の住宅不動産は投資対象であるため、価格上昇の局面では住宅市場は過熱します。
 しかし、中国全体では、不動産在庫が積上がり、その解消が課題になっています。何れは訪れる大都市の住宅価格の下落は、リーマン・ショックのような大きな影響を及ぼすことになると思われます。


   習近平体制に代わった2012年11月から、毎月データを追加更新しています。下記は後編です。
              後編:中国経済の減速、鉱工業生産と不動産価格

                    統計データで見る中国経済の減速  

           
中国のGDP値に対する疑念と、代替指標を用いたGDP値推測の試み
           中国経済に何が起きているか、構造転換とバブルの後遺症処理
               データで示す中国経済の構造転換と減速の実態
  
                中国の鉱工業生産の推移、68品目の10年間
                  中国経済の減速とサービス産業の拡大

1.電力消費の推移

 中国政府が発表する経済指標は、多くの人から疑念を持って見られているようです。温家宝首相の後継の李克強氏は、嘗て、経済成長を評価する際にGDPではなく、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の実行という3つの統計を重視すると語ったとウィキリークスで暴露されました。

 中国経済に関する統計データの中では、
発電電力量が比較的信頼されているように思います。発電電力量は輸出入がほとんど無く、送配電損失を差し引けば、電力消費量と時間遅れなくほぼ等しくなります。集計上の大きな間違いがなければ、経済状況をよく反映するデータであると考えます。

 中国の国家統計局のデータベースで、2005年からの月間の発電電力量の推移を調べてみました。統計データは、多くの国で自国語とともに英語のウェブページが用意されており、容易に調べることができま
す。


 データベースには、当月の電力量、その年の累計電力量、それらの対前年同月比増減が掲載されています。なお、電力量は発電端の値と思われます。累計電力量の掲載値と、各月の電力量の合計には少し違があります。
 また、対前年同月比の増減については、国家統計局データベースの掲載値と、前年同月の値から求めた計算前年比を示しました。両者には違いがあります。国家統計局のデータは、所定の規模以上の工業企業から提出された当月データを合計したものです。その際、それらの工業企業(毎年見直される)に、前年同月のデータも併せて提出させており、両者の比率が増減値になっていると注記されています。そのために、計算前年比とは異なることになるようです。

 一、二月の電力量が減少しているのは、春節(旧正月)の影響と思われます。旧暦に基づく春節は一月の年もあれば、二月の年もあります。そのため、一、二月の対前年同月比は大きく振れた値となります。そのため、対前年同月比については、一月と二月の2ヶ月間の合計について増減を示しました。

 図-1は、中国の月間発電電力量の推移です。月ごとの変動はありますが、全体的には、ほぼ直線的に増加しているように見えます。2005年からの7年半で、発電電力量は2倍以上になっています。2012年には、月間電力量が4000億kWh前後ですから、年間では5兆kWh程度になります。日本の年間の発電電力量は1兆kWh前後ですから、日本の約5倍です。中国は経済成長を維持するために、エネルギーの確保が重要な課題になっていることが窺われます。現状は石炭火力が中心ですが、今後は原子力が増加するものと思われます。



  図-2に、月間発電電力量の対前年同月比の増減を示しました。国家統計局のデータベースの掲載値と、前年の電力量から計算した値を併記しました。
 -10%近くまでの電力量増加の大きな落ち込みは、2008年9月のリーマンショックに依るものです。それまでは、対前年同月比で15%前後の増加が続いていました。
 リーマンショックの後、中国政府は4兆元という大規模な財政出動を行ったことで景気が回復し、電力量の増加率も急速に増大しています。しかし、4兆元の効果もその後薄らいできたと言われ、ユーロ危機による欧州向輸出の減少などが加わったことで、2011年後半頃から電力量の増加率は急速に低下していることが分かります。
 2012年4月以降の半年間、対前年同月比の電力量の増加は3%以下の水準と低迷していましたが、10月以降回復していることが分かります。しかし、2013年に入り、対前年同月比の増加率は再び低下していることが分かります。

 
2013年7月、8月の対前年同月比の電力量の増加は、各々8.1%、13.4%で、6月の6%に比べかなり増加しています。9月8.2%でした。



 このウェブページは、中国の経済指標の推移を見る時に、併せて電力量や鉄道貨物輸送量を、参考に対比してもらう趣旨で用意したものです。中国経済の現状について紹介することは目的ではありませんが、サンプルとして、図-3に中国の実質GDPの対前年比の成長率を示しました。
 なお、国家統計局のデータベースには、四半期ごとのデータが掲載されていますが、年初からのGDPの対前年同期比の成長率であるため、表-1に示しました。



 2012年10月の時点では、中国経済への回復期待から、GDPの発表に高い関心が寄せられていました。しかし、2012年第3四半期の対前年同期比のGDPの成長率は7.4%、1月から9月までのGDPの成長率では7.7%で、前期より低いものでした。

  同発表には、2011年以降の四半期ごとのGDP成長率の資料もあり、図-4に、電力量の増加率と対比して示しました。



 図-4には、その後のデータも追加していますが、2012年10月以降、電力量の増加率が上昇し、第4四半期のGDPの対前年同期比の成長率も7.9%となり、中国経済の回復が窺われました。
 
 しかし、2013年1月以降、電力量の増加率の低下は明瞭になり、2013年第1四半期、第2四半期のGDPの成長率は、それぞれ7.7%、7.5 %と再び低下しています。なお、電力消費は6月以降、顕著な増加傾向を示しています。

 図-2と図-3に示されるように、2007年頃には電力量の増加率は15%前後、GDPの成長率は14%くらいでした。しかし、リーマンショックの際には、電力量の増加率がマイナスにまで落ち込んだのに対し、GDPの成長率はそれ程は大きく変化していません。
 また、図-4に示される2012年半ばの状況は、電力量の増加率の低下に比べて、GDPの成長率の低下は緩やかです。電力量の増加率が3%以下であるのに対し、GDPの成長率は7%台までしか低下していません。この辺が、中国政府が発表するGDPに疑念が持たれる所以であると思います。

 中国のGDPに疑念があると決め付けることはできないと思いますが、工業生産活動の変化を知るデータとしては、GDPよりも電力量のほうが明瞭な情報を提供していると言えるでしょう。



2.鉄道貨物輸送量の推移
(2012年10月30日追加)

 鉄道貨物輸送量の推移のデータを紹介します。中国の貨物輸送量の統計は、鉄道輸送、ハイウェイ(トラック輸送)、水上輸送および民間航空の4つで示されています。図-5に、2011年のtonベースとton-kmベースのデータを示しました。
 tonベースで最も多いのはハイウェイ輸送で、鉄道輸送は、全体の11%に過ぎません。鉄道輸送や水上輸送は、長距離輸送のウェイトが高いようです。


 李克強首相の言は、鉄道輸送は貨物輸送量の一部に過ぎないが、統計データとして信用できるとの趣旨であると思います。人口の総数ですら疑念を持たれる大国で、ハイウェイ貨物輸送量を毎月どのようにして把握しているかについては、少し疑問を抱かざるをえません。
 
 図-6には、航空輸送を除く3者の貨物輸送量の推移を示しました。ハイウェイ輸送は輸送量が多いだけでなく、増加率も一番高くなっています。2005年からの7年半で、ハイウェイ輸送が2.7倍くらいに増加しているのに対し、鉄道輸送は約1.5倍です。
  データベースで鉄道輸送以外は、12月分は当月分の輸送量の記載が無く、年間の累計のみが示されています。その年の統計誤差を12月分で調整しているものと思われ、図-6では12月分はブランクとしました。また、対前年同月比ついては、発電電力量と同様の理由で、1月と2月の合計について、対前年同月比を示しました。



 図-7には、月間の鉄道貨物輸送量の推移を拡大して示しました。この図からも、リーマン・ショック後と、最近になって、鉄道貨物輸送量が落ち込んでいることが分かると思います。



 図-8には、鉄道輸送と輸送合計について、月間貨物輸送量の対前年同月比の増減を示しました。鉄道貨物輸送では、図-2の発電電力量と同様に、リーマン・ショックによる大きな落ち込みが見られます。発電電力量と類似の軌跡を描き、前年同月比で共に-10%まで低下しています。時期的には、鉄道輸送量のほうが1ヶ月ぐらい遅れているようです。
 2012年5月から増加率の急激な低下が始まっています。8月には、リーマン・ショック時と同程度のマイナス水準まで低下しており、景気減速の深刻さが窺われます。9月には少し回復していますが、前年同月の値を下回っています。
 12月は前年同月比で僅かに増加となりましたが、2013年1-2月の増加率はゼロ、3月は再びマイナス、4月、5月は更に低下しています。鉄道貨物輸送量は2013年1月以降の経済成長の減速を示しています。
 6月の前年同月比の貨物輸送量は5月より増加しましたが、相変わらずマイナスであり、経済成長が低水準であることに変わりありません。
 7月の対前年同月比の増加率は4.7%とプラスになりました。但し、前年7月の値が落ち込んでいるために増加率が高くなっているもので、図-7からは、鉄道貨物輸送量は横這いであることが分かります。
 8月の鉄道貨物輸送量の対前年同月比の増加率は8.1%となり、他の経済指標の推移と併せ中国経済の回復の兆しが窺われます。9月は9.0%と少し増加しました。
 2014年8月のデータは、異変を示すもののように思われますが、下記後編の末尾に、中国経済の現状についてコメントを記載しました。


習近平体制の2年半(2015年4月)









筆者はエネルギー問題が専門で経済は専門外のため、コメントは極力控え、毎月の統計データを紹介してきました。習近平体制が始まった2012年11月から始めたこのページも2年半になり、主題である経済成長の鈍化もかなり進んだため、これまでの経緯を簡単に整理してみました。経済が素人のコメントとしてお読み下さい。

このウェブページでは、後編の「中国経済の減速、鉱工業生産と不動産価格」と併せて、中国のGDPの推移に対し、鉱工業生産とその一項目である発電電力量、鉄道貨物輸送量、上海総合株価指数、危惧されるバブル崩壊に関して不動産開発投資額、主要70都市の新築住宅価格、マスコミで度々紹介される製造業PMIなどの毎月の推移を紹介してきました。

 2012年の胡錦濤体制の最後の時期は、経済成長が低下していたことが鉱工業生産のグラフから分かります。バブルの後遺症である不動産開発投資による地方政府の債務増大や、国営企業の過剰設備の問題を処理する意図で、不動産市場を規制したことが大きく影響したものと思います。不動産開発投資額には、それが明確に表れており、住宅価格も横這いを続けていました。

 習近平の新政権を始めるのにあたり、景気が低迷していては具合が悪いと思うのは当然でしょう。不動産市場の規制を緩和しました。鉱工業生産は少し持ち直しますが、影響は不動産開発投資額の急上昇と、住宅価格の上昇開始に表れました。これでは、李克強首相が唱えた安定成長への移行が達成できません。2013年初めに、再び不動産市場の規制が少し導入され、不動産開発投資額と鉱工業生産の増加率が少し低下しました。但し、住宅価格は上昇を続けました。鉱工業生産の増加率の変動は、増幅された形で、発電電力量と鉄道貨物輸送量の変動に反映されています。

 以後、上記の状況を繰り返し、GDPと鉱工業生産の増加率は、じりじりと低下を続けます。2014年に入ると、不動産開発投資額の増加率も急速に低下を始め、住宅価格も低下に転じます。GDP増加率の低下は緩やかですが、鉱工業生産の増加率の低下は顕著になります。その状態を正当化するため、新常態(ニューノーマル)という言葉が創出されたように見えます。

 他国に比べて中国は、中央政府の財政が健全で、共産党の一党独裁のため、経済問題に自由に対策が講じられるので、中国のバブル崩壊は起きないと多くのエコノミストが主張してきました。しかし、中国政府が講じられる対策は、あまり多くないように思われます。

消費の拡大により、経済成長を維持することが望ましい対策です。しかし、人口1人当たりの中国のGDPは、未だ極めて低く日本の1/5程度であり、加えて貧富の格差が大きいため、13.6億の人口に見合う消費は期待できません。住宅価格の上昇が止まると、不動産投資に投じられていた余剰資金は株式投資に向かい、2014年後半から上海総合指数を急上昇させました。

 経済成長を維持する対策としては、インフラ開発投資くらいしか中国政府には残されていないようです。そこで捻出されたのが、一帯一路(新シルクロード構想)とアジアインフラ投資銀行(AIIB)だと思います。但し、インフラ開発投資が思惑通り進んだとしても、直ぐに成果に繋がるわけではありませんから、今後の中国の経済運営は容易なことではないでしょう。
 中国のGDPには疑念が持たれています。例えば、「米中経済・安全保障検討委員会、The Reliability of China’s Economic Data : An Analysis of National Output」のようなレポートが多数出されています。2015年第1四半期のGDPの対前年同期比の成長率は7%と発表されましたが、もしかしたら、実際にはもっと低いのかもしれません。



最近のGDP成長率(2016年1月)
 2016年の年明けから、中国経済の減速は、世界経済に大きな影響を及ぼしました。製造業の成長鈍化は、誰の目にも明らかになりました。しかし、直近2015年第3四半期累計のGDP成長率は6.9%で、それほど低下していません。それは、サービス産業の成長により支えられているためと説明されています。そこで、GDPの内訳である各産業部門の成長率の推移を調べてみました。

 国家統計局発行のChina Statistical Yearbook 2015のデータを用い、図-16にGDPと内訳産業部門の対前年比の成長率を示しました。農林水産業は第一次産業、鉱工業と建設業は第二次産業、その他の項目は第三次産業(サービス産業)のものです。2015年のデータは、Yearbook 2015に含まれていないため、2015年第3四半期までの累計値の対前年同期比の成長率を用いました。同データは、国家統計局のウェブページに四半期ごとに掲載されているものです。
 グラフが輻輳して見難いため、注目すべき項目としてGDPと、鉱工業、建設業、金融仲介業のグラフを太線で示しました。

 
 図-16で、リーマン・ショック後の景気過熱が治まった2012年以降、GDP成長率は緩やかに低下しています。それに対し、鉱工業生産の成長率の低下は大きく、また、建設業の2015年の成長率低下は顕著です。
 注目すべきは金融仲介業(Finantial Intermediation)です。10%程度であった成長率が、2015年には17%に跳ね上がっています。2015年に入り、第二次産業の成長低下が顕著になったにもかかわらず、GDP成長率の低下が少ないのは、金融仲介業の増大が、GDP成長率の低下を抑制しているためであることが分かります。

2016年4月加筆見直し
 2016年第1四半期のGDPが発表になったので、そのデータを追加し、以下のように見直しました。

 本題に入る前に、GDPの産業内訳の比率を示しておきます。図-17は、2015年のデータです。農林水産業は一次産業、鉱工業と建設業は二次産業、残りは三次産業です。最も大きいのは鉱工業で、GDPの1/3を占めています。農林水産業は約9%です。三次産業(サービス産業)で最も大きいのは卸売・小売業の約10%、次が金融仲介業、不動産業と続いています。

 図-18、図-19に、2013年以後の四半期毎のGDPとその内訳の対前年同期比の増加率の推移を示しました。中国国家統計局のウェブに掲載されてデータです。但し、年初から各四半期までの累計値の対前年同期比の増加率であるため、累計期間のデフレータが一定と仮定して、近似的に各四半期値の増加率を求めました。




 先ず、GDPの増加率が下がり続けていることが分かります。一次産業の増加率は、3~4.5%の範囲で変化していますが、総じて比較的低い増加率で横ばいと言えるでしょう。

 以下、図-19の二次産業と三次産業の内訳について記載します。鉱工業生産の増加率は、2013年半ばから下がり続けています。これが、GDP増加率の低下に、大きく影響を及ぼしていると思います。三次産業で一番比率が大きい卸売・小売業の増加率は、2013年の10.5%から、2015年には6%へと大きく低下しています。製造業の増加率の低下を、サービス産業の拡大が補っている、とは単純に言えません。

 2015年に増加率が上昇したのは、金融仲介業で、2016年第1四半期に上昇したのは不動産業です。これらが、GDP増加率の低下を、概ね政府目標の範囲に抑制しているように思います。

 金融仲介業の増加率も、2014年半ばまで低下傾向を示していました。それが、上昇に転じたのは、2014年末からの株価の高騰により、証券や金融取引が増加したためと考えられます。

 景気後退下で異常な株価の高騰は、不動産価格の下落により、そこに投じられていた余剰資金が株式に向かったためと考えられています。加えて、人民日報などが株価の更なる上昇を示唆したと言われます。
また、2015年7月の株価急落に際し、異常とも思われる株価の買い支えが政府の指示により行われました。これら一連の動きは、2015年に入り製造業の成長率の一段の低下に対し、GDP成長率をなんとか政府目標の範囲に収めたいという中国政府の意向を反映したもののように思われます。

 2016年第1四半期には、不動産業の増加率が4%から9%へと急上昇しました。一方、金融仲介業の増加率はは、以前の8%水準に戻りました。
 住宅不動産市場は、2011年頃から在庫が積み上がっていることが指摘されてきました。不動産開発投資の増加率も、2013年以降急速に低下していました。一方、2014年半ば頃から低下に転じていた住宅価格は、2015年半ばから大都市を中心に上昇を始めました。土地私有制のない中国では、住宅は投資の対象で、住宅価格が上昇する局面では、住宅市場は活発になります。
 住宅市場の規模は大きく、景気に大きな影響を及ぼしています。2016年第1四半期のGDPの6.7%は、金融業の増加率が再び低下した状況下で、不動産業の増加に支えられた値であると思います。

 中国政府が発表する経済指標には、疑念が持たれています。特にサービス産業のデータは、信頼性が低いと考えられています。GDPの数値に拘っても意義は乏しいかもしれませんが、試算値を紹介します。
 金融仲介業の2015年の増加率が、以前並みの10%であったと仮定して試算すると、2015年のGDP成長率は6.3%に低下します。また、2016年第1四半期の不動産業の増加率が4%であったと仮定して試算すると、2016年第1四半期のGDP成長率は6.4%に低下します。

 中国の製造業の減速を補っているのは、サービス産業かもしれませんが、その内実は、株式や住宅などの投資により支えられたものです。GDP増減の中身を見ることが重要であると思います。


 注意)投資や業務等の目的から、本ウェブページで紹介した事項に関心を持つ方は、中国国家統計局のウェブサイトにアクセスし、ご自身で統計データを確認し、判断して下さい。上述の文章・情報により被ったいかなる被害に対しても、当方は一切責任を負いません。